2020年06月06日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[英国EU離脱 交渉 漁業分野が大きな障害となる]
2020年6月2日から同5日までの間、通信を利用して英国とEUは、漁業分野のほか、離脱後の双方の経済、外交等の条件を決める第4次交渉を行ったが、EU側首席交渉官Michel Barnier(フランス)は、進展はほとんどなく、漁業分野の問題が大きな障害となっていることを認めた。
交渉を年末で打ち切るか継続するかを決める期限の6月末までに予定された最後の会合が今次交渉だった。
EUは、漁業分野の合意を、経済分野等の一部と関連付け英国海域への従前どおりのアクセスを求めているが、英国は独立した沿岸国として、毎年の漁業交渉により漁獲割当等、操業条件を決定する方式を主張している。
Michel Barnierは、漁業分野について英国は、これ以上、話し合う意思がないと感じたと語った。
一方、英国交渉代表で首相顧問のDavid Frostは、会合を続ける価値がある場合、英国は、6月末までにそれを合意すると述べた。
かかる状況下、観測筋は、6月末までに英国首相Boris Johnsonと*欧州委員会委員長Ursula von der Leyen(ドイツ)の会合が実現した時、ステージアップされた包括的協議が行われ交渉が秋まで続く可能性があるとみている。
*欧州委員会 (The European Commission)
欧州委員会はEUの行政執行機関として、法令の立案、政策の施行、法の執行、国際条約の交渉などを行う。「EUの政府、内閣」、「EU基本条約の守護者」であり、欧州全体の利益を代表し、追求することが任務となっている。