ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

国後島フィッシュミール工場施設が竣工する

2021-10-07 19:07:14 | 日記

2021年10月07日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[国後島フィッシュミール工場施設が竣工する]

日本よりロシアは漁業生産量でわずかにリードしているものの、フィッシュミールの生産量は日本(20万トン弱)が圧倒的に多く、これは、設備投資が求められる残滓利用が進んでいないロシアの状況を表すものとなっている。

ロシアは、資源に対する漁業製品歩留まりの向上、出現した極東海域のイワシ資源の利用、残滓の不法投棄問題の解決等を目的に、中国の水産養殖向け飼料市場ほか、世界的に需要が高まっている当該製品の生産拡大を、“2030年までの漁業発展戦略”に盛り込んでいる。

かかる状況下、今般、国後島ユジノクリリスク(古釜布)の”ユジノクリリスキー・ルイブコンビナート”(Южно-Курильский рыбокомбинат)が、フィッシュミール工場施設の竣工を発表した。

技術機器の調整、テストも完了し、操業開始は今年2021年11月上旬を計画している。

このプロジェクトは、国家プログラム“2016年-2025年のサハリン州クリール列島の社会経済の発展”の枠組みの中で行われている。

同コンビナートでは年間5,000トンのフィッシュミールと最大3,000トンのオイルの生産を計画している。

これらの製品は、水産養殖、農業、畜産の飼料原料として、国内外で強い需要が確認されている。

竣工にあたりサハリン州知事リマレンコは、廃棄処分されていた水産加工の残滓が利用されること、また、新たな雇用を創出することを評価するとコメントしており、地元自治体の税収の増加も期待されている。

 

 
 
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ロシア農業展示会”黄金の秋”で水産加工発展支援にかかる円卓会議が開催される

2021-10-07 18:26:36 | 日記

 

2021年10月05日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア農業展示会”黄金の秋”で水産加工発展支援にかかる円卓会議が開催される]

第23回ロシア農業展示会”黄金の秋”(Золотая осень:ロシアの紅葉の季節の美しさの表現)が2021年10月5日から開催されており、この枠組みの中で円卓会議”国内水産加工の発展と国家支援”が行われた。

ロシア農業省、ロシア漁業庁、科学研究機関、産業貿易省、業界の代表者らが参加し、国内水産加工の規制措置、技術更新のインセンティヴへの国家支援、国民の水産物製品の消費量の増加等について話し合った。

モデレータは、ロシア上院の農業・食糧政策・環境に関する委員会の第1副委員長セルゲイ・ミティンが務めた。

ミティンは、ロシアにおいて水産加工業の基本原則が確立しておらず、この分野の法規制が必要だと指摘、現在、同委員会が、水産物製品生産の規制の基礎に関する連邦法案を作成していると述べた。

また、これにより、国家支援の特別な措置の導入が可能になると語り、水産加工分野の主要事項を定義し、行政の対応概念と当局の権限を形成することになると加えた。

ロシアの”投資クオータ”のプロジェクトでは、24施設の陸上水産加工場の建設が予定されており、既に20施設は稼働を開始している。

また、"2030年までの漁業発展戦略”では高次加工製品のシェアを25%から65%に引き上げることが目標となっており、原料ベースでの輸出依存からの脱却、国内市場の拡大、低次加工から高次加工への転換を基礎としている。

なお、円卓会議には漁業庁を代表して、同庁副長官ソコロフが登壇、世界の人口増加と健康ブームに対応した水産物製品の確保、内需拡大のための生産コストの削減と流通プロモーションの問題点等を指摘した。

 

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