2021年10月29日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 フランス当局 英国漁船を拘束]
英国のEU離脱後、同国とフランスの漁業分野の対立は、より一層先鋭化している。
フランス当局は2021年10月29日までに北西部ルアーブル港沖合の英仏海峡で英国漁船を拿捕したと発表、英国漁船に対してフランスのほぼ全ての港の利用を認めない措置も用意していると加えた。
フランス欧州問題担当相ボーヌは、漁獲製品を陸揚げする漁船は、一部の例外を除きフランスの港を全て利用できなくなると発言した。
港の封鎖措置は同年11月2日からとしており、一方で3港-4港は開かれたままとなる見通しもあり、正式な決定は今週末となる。
フランス海洋ジラルダンによると、同年10月27日夜、当局がフランス海域でホタテの漁獲を行っていた英国漁船2隻を停止させ検査、1隻はEU承認漁船にリストされておらず、これを拘束、ルアーブル港へ連行した。
2021年10月29日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 英国とフランスの漁業分野の紛争激化 貿易制裁へ]
英国のEU離脱後の英仏海峡における漁業権をめぐり、英国とフランスが対立を深めている。
フランスは、2021年10月27日、英国がフランス漁船の操業を制限し続けるならば、来週(同年11月1日からの週)にも対英貿易制裁を発動すると発表した。
AFPBBが伝えた。
フランス政府報道官アタルは記者会見で、同11年2日から、英国がフランスに輸出する水産物に対し、徹底的な通関手続きと衛生検査、陸揚げ禁止を含む制裁措置を課すと語った。
欧州問題担当相ボーヌは、追加検査の対象は他の産品にも拡大する可能性があると述べた。
英仏の対立は、英国が防衛と外交を担う仏沖合の英領チャネル諸島周辺海域でのEU船籍の漁船への漁業権付与をめぐって激化している。
英国は水産物の大半をEUに輸出しており、大陸への入り口としてフランスの港に大きく依存している。
フランス側は、英国とチャネル諸島がこれまでフランス漁船に付与した操業許可が約201件にとどまり、240件の申請が却下もしくは審査中のままになっているとしている。
報道官アタルは、英国とEUが昨年2020年12月に合意した漁業協定により、フランスが漁業権の約50%を失ったと主張している。
一方、英国側は、フランス漁船に対する差別を否定し、EU漁船に付与されている漁業権の98%を認めていると反論しており、双方の許可海域の“漁場価値”に、見解の相違を見せている。
2021年6月には激怒したフランス漁業関係者がジャージー島の主要港に船団を集結させて抗議デモを行い、英国が海軍哨戒艇2隻を周辺海域に派遣する騒ぎに発展していた。