2024年11月24日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア極東科学操業評議会 サケマス操業レヴューと来季オ海抱卵スケトウダラ操業プレヴュー]
ロシア極東科学操業評議会が2023年11月23日、カムチャツカ地方で開催され、今年2023年の太平洋サケマス操業のレヴューと、来年2024年明け1月1日からのオホーツク海春季抱卵スケトウダラ操業、所謂“Aシーズン”のプレヴューが行われた。
通信を利用して出席したロシア漁業庁長官シェスタコフは、今年2023年漁期の太平洋サケマス生産量が同国の歴史において2番目となる60万9,000トンに達していることを指摘、関係者の尽力を評価するとともに、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロに対して、来年2024年の漁期の準備を早速、開始するよう指示した。
ヴニロ所長コロンチンは、今年2023年漁期の太平洋サケマス操業に関する詳細な報告を行い、地域の産官学の代表者で構成される遡河性魚種生産管理委員会が効果的に機能し、当該操業に関して迅速な意思決定を行ったことを指摘した。
このほか、今年2023年漁期の記録的な太平洋サケマスの生産について業界の代表者は、産業科学の貢献を評価する発言を行った。
またシェスタコフは、来年2024年明け1月1日からのロシア漁業にとって最も重要なオホーツク海春季抱卵スケトウダラ操業、所謂“Aシーズン”の準備の重要性について言及した。
科学的観点から資源に何が起こっているのか、そして漁業努力が十分であるかどうかをモニターする必要があり、漁船団には、さらに新たなトロール漁船が加わって、このことで資源開発率が向上するとの観測を発表、実際、その傾向は、今年2023年春の結果が指し示していると加えた。
ヴニロ太平洋支部チンロ支部長バイタリュウクは、スケトウダラばかりでなくニシンも含めた、来年2024年のオホーツク海での専門化された操業“Aシーズン”の準備状況を報告した。
科学的勧告によると、当該“Aシーズン”は、極東漁業規則に基づく幼魚混獲による漁場移動等のコストは低減され、資源水準が平均を上回り、大型魚の魚群が集約され、楽観的漁期になると見込まれている。
なお、このほか、今回の評議会では、来年2024年のTAC残枠を再配分するためのスキームとアルゴリズムが検討され、これらを極東漁業規則に反映させること等が話し合われた。