2023年11月09日 秋サケ 対科学機関予想実績 サハリン州94%:北海道61%
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
“秋サケ 対科学機関予想実績 サハリン州94%:北海道61% 北海道の3割強は何処へ”
[2023年漁期 40°N以北-180°E以西沿岸 ロシア・北海道 シロザケ漁獲量比較(11月6日)]
近年、北海道に隣接するサハリン州では太平洋サケマス増殖事業において10億尾内外の稚魚放流を実施しており、昨年2022年、初めてシロザケのみで10億粒を超える採卵が行われていて、その内容を問わなければ、数量的に、双方は、ほぼ、同等の増殖事業を展開していることになる。
一般社団法人北洋開発協会(北海道機船漁業協同組合連合会内 担当 原口聖二)は、一昨年2021年漁期から、シロザケの生産において増殖事業に依存度が高い北海道とサハリン州、そして野生の割合が高いその他のロシア極東地方の各沿岸の当該資源漁獲量等の比較を行っている。
今年2023年漁期、40°N以北、180°E以西のロシア極東地方沿岸でのシロザケの生産量は報告日の同年11月6日までに13万670トンとなった。
北海道より操業開始が早いサハリン州沿岸のシロザケ漁獲量は、報告日までに3万4,730トン、報告対象日ロ全沿岸の生産の26.6%相当で、これに対し北海道沿岸は、5万1,910トン、39.7%となり、資源の北偏傾向が続いている中、サハリン州と比較し、北海道の資源来遊率が高かく、事業成功度が優位な漁期となっている。
シロザケの漁獲勧告、予想に対する実績比較については、サハリン州沿岸は漁獲勧告3万7,000トンに対して、開発率が94%となっている。
一方、北海道の科学研究機関は、今漁期のシロザケの来遊予想について、前年より4%増の3,483万尾と発表している。
昨年2022年の北海道沿岸での漁獲量(2023年1月24日付みなと新聞 道調べ/水産研究・教育機構とりまとめ)が8万3,310トンであったので、当該予想によると、今漁期は約8万5,000トンの生産が見込まれることになるが、報告日現在の漁獲実績は対予想比61%となっている。