2024年02月03日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 英国海域でのEU漁船のイカナゴ操業禁止 デンマーク業界に大打撃]
英国は今年2024年3月26日からドッガー・バンク海域でのEU漁船によるイカナゴ操業の禁止措置をとる。
英国は、この海域における海鳥を含めた、捕食等、生態系への影響の問題を理由としている。
歴史的に当該資源を利用してきたデンマークの漁業者とフィッシュミール産業は、大打撃を受けることになる。
英国のEU離脱の条件合意の際、重要な要素となったのは、EUの漁業者が英国の海域で漁業を継続できるかどうかだった。
デンマーク関係者は、この措置が英国とEUの合意に違反していると主張している。
デンマークは毎年約10万トンのイカナゴを漁獲しており、これは3億デンマーク・クローネ(約64.5億円)以上規模相当となっている。
さらに、2015年以降、デンマークのフィッシュミールとオイルの輸出27億デンマーク・クローネ(約580億円)の基礎を当該資源が形成してきた経緯がある。
英国のEU離脱による漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年6月まで実行される。
譲渡のプロセスは(括弧内は全体に対する比率)次のとおりとなる。
2021年:60%(15.0%) 2022年:70%(17.5%) 2023年:80%(20.0%) 2024年:92%(23.0%)
2025年:100%(25.0%)
非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。