2024年02月22日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ベラルーシ・コネクション 政府間協定に基づくロシアEEZでの“特別なスケトウダラ漁獲割当”]
昨年2023年、ベラルーシに対し、ロシア極東海域EEZでのスケトウダラの漁業許可が発給された。
この許可は、2002年3月13日付ロシア・ベラルーシ政府間協定の枠組みで開催された、第20回両国漁業員会の合意に基づくもので当該漁業がロシアとベラルーシの企業による共同操業だと伝えられた。
この漁業協定は2002年に署名されたが、ロシアEEEZでのベラルーシ人の漁業生産へのアクセス拡大を想定した条項が盛り込まれ始めたのは2020年代になってからだ。
昨年2023年3月、ロシア漁業庁沿海地方管理局は、オホーツク海とベーリング海で5万1,000トンのスケトウダラ操業を行うための4件の許可を発給した。
漁獲割当はベーリング海で90%、オホーツク海でほぼ全量が年末までに開発されたものと見られている。
今般、この“特別な漁獲割当”にアクセスし操業を行ったのが、ウラヂオストク登記のベラルーシとロシアの合弁企業“ソユーズヌイ・ルイブヌイ・プロムスラ”(Союзные Рыбные Промыслы)社であることが分かった。
同社は2022年半ばに同地で登記され、現在、2隻のトロール漁船、“ポルフィリイ・チャンチバドゼ”と(Порфирий Чанчибадзе)と“ムイス・ルビコン”(Мыс Рубикон)が所属して操業を行っている。
合弁会社の生産資産は7億ルーブルで、約170名の乗組員が雇用されており、製品を、アジア諸国をはじめ世界各国に販売可能な認証を取得している。
登記によると、同社の50%の株は、ほとんど知られていないロシア人女性“ユリア・ラザレワ”が所有している。
これは、昨年2023年、同社代表セルゲイ・スクリヤルから受け取ったとされている。
セルゲイ・スクリャルは10年以上にわたり、ロシアのカニ大手グループ“アンテイ”(Антей)社の財務責任者だった。
ベラルーシ側は“ソユーズヌイ・ルイブヌイ・プロムスラ”社株の25%ずつを“モルスキー・プロムスラ”(Морские промыслы)社とリュドミラ・ネロンスカヤが所有している。
リュドミラ・ネロンスカヤは、2020年代初頭まで、ロシアからウクライナ、ポーランド、ドイツに供給される液化石油ガスの処理と輸送に携わっていたベラルーシ企業数社の創業者の一人である。
これらの企業には “トランス・エクスペディツイヤ”(ТрансЭкспедиция)社、“ザパド・トランス・エクスペディツイヤ”(ЗападТрансЭкспедиция)社、“ガス・エネルデジ・ヒム”(ГазЭнерджиХим)社、“ネフテトランスロジスティカ”(Нефтетранслогистика)社等が含まれている。
なお、現在、リュドミラ・ネロンスカヤはブレスト地域登記のガスのトレーダー企業、“ザパド・トランス・エクスペディツイヤ”社の代表となっている。