ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシア漁業ニュースヘッドライン 2024年09月  http://kisenren.com

2024-08-29 15:40:36 | 日記

 2024年08月29日

 

ユーザー 各位

 

拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

 さて、ロシア上院は、2024年8月、漁業分野におけるすべての政府間協定について、ロシアにとっての利益の有無の分析を促進するようにロシア農業省と漁業庁に対し勧告しました。

これは同院農業・食糧政策・環境委員会の決定に基づくもので、関係部局が外務省に提案を送付、外務省は調査結果により、国益に反し、非友好国等に一方的な特権を与える条約の破棄案を作成する必要があるとされています。

 ロシア上院は、2024年3月、英国が貿易での最恵国待遇を2022年3月に停止したことへの報復として、バレンツ海での英国漁業の権利を剥奪し、英国との漁業協定の破棄法案を採択、同院議長ワレンチナ・マトヴィエンコが、当該採択にあたり、協定を破棄する決定の正しさを強調し、漁業分野におけるすべての政府間協定について、ロシアにとっての利益の有無の分析を開始することを提案、これを受けて、ロシア漁業庁長官シェスタコフは、提案を支持すると表明したものの、一方で漁業協定のメリットやデメリットの問題は複雑で、バランスのとれたアプローチ、包括的な検討をする必要があると強調、各国がロシアEEZに入域し、単純に操業を行うことを許可するという協定を結んでいないと説明して、同時にロシア漁業者が相手国EEZに入域するものや、 金銭補償と引き換えに漁業権をロシアが提供するという協定も存在しており、 儲かるか儲からないかという問題は常に諸刃の剣だと言及した経緯があります。

 今月号においては、これらのロシアの外交、水産物貿易制裁措置が影響を与える漁業政策の動向等に注目して直近の情報を集約し、TopNews としてご報告申し上げます。

 なお、EUがロシア産水産物に対する新たな制裁措置を夏季休暇明けに検討する可能性が伝えられ、EU市場に冷凍食品(フライ製品)を広く供給するドイツ加工食品業界は、ロシア産スケトウダラを原料とする冷凍フィレに強く依存しており、同業界は政治的行動を準備している模様であると欧州業界紙が報じています。これらの関連情報もあわせてお知らせ申し上げます。

                                                         敬具

(国際漁業対策事業部;原口聖二)

 

TopNews ロシア上院 漁業分野におけるすべての政府間協定のロシアの利益分析促進を勧告

・EU  ロシア産水産物に新たな制裁措置パッケージ検討(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外18件)

・没収カニ漁獲割当再販オークション 三度び設定(投資クオータ/漁獲割当オークション関連外1件)

・ロシア漁業者漁獲量 333万4,600トンとなる(8月19日)(ロシア漁業生産/貿易動向関連外8件)

・ロシアは世界のスケトウダラ漁業のリーダーの立場を維持する(スケトウダラ・マダラ・ニシン等操業関連外1件)

・2024年漁期 ロシア太平洋サケマス漁獲速報(太平洋サケマス操業関連32件)

・2024年漁期 ロシア漁業者イワシ・サバ/外国人漁業者操業概況(イワシ・サバ・サンマ操業関連8件)

・ノルウエー沿岸警備隊が禁漁区操業でロシア漁船を拘束(ロシアFOC/IUU取締情報関連外1件)

・EUのスケトウダラ・フィレの輸入量と価格の推移(その他ロシア漁業関連情報等外5件)

・韓国冷凍スケトウダラ市場動向 2024年8月平均水準維持(韓国スケトウダラ市場関連)

・日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業2024年度TAC設定完了(韓国漁業関連)

・英国首相スターマーにEUとの漁業協定で国内外の双方から圧力(ポスト英国EU離脱Brexit関連)

・米国 MA沖タービン破壊事故 ブレードの大部分が海底へ(洋上風力発電と漁業 海外の経験外2件)

 

計87オリジナル報告

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北海道日本海接続西サハリン海域 スケトウダラTAC期中見直し 3万5,000トンへ “ロシアと日本の資源開発率(漁獲割合)設定 2倍の差” リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-08-29 14:12:16 | 日記

2024年08月24日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[北海道日本海接続西サハリン海域 スケトウダラTAC期中見直し 3万5,000トンへ]

“日本海スケトウダラ ロシアと日本の資源開発率(漁獲割合)設定 2倍の差”

ロシア農業省は2024年8月16日付命令No.475により、北海道日本海側資源(日本海北部系群)と分布が重なる西サハリン海域のスケトウダラの今年2024年TACを当初設定2万4,500トンから期中見直しし、1万500トン上積みして、3万5,000トンに引き上げることを決定した。

全ロシア海洋漁業研究所は、当該海域のスケトウダラの商業バイオマスを24万6,000トンと算定している。

これは、同研究所がバイオマスに対する開発率(漁獲割合)を14%に設定することを妥当としていることを指し示している。

一方、海域が接続して資源分布が重複する北海道日本海側資源(日本海北部系群)への資源開発率は、理解に苦しむMSY設定等の影響受け、この半分の7%に設定されている。

スケトウダラは国際市場価格によって取引されており、保守的過ぎる日本の資源管理と、合理的運用方針をとっているロシアの漁船団の双方の水揚げベースのラグは2倍となり、これが雪だるま式に加工製品価値ベースで8倍、双方の国内で消費された時の経済効果では20倍に膨らむことになる。

なお、同研究所は、来年2025年の西サハリン海域のスケトウダラのTAC設定を更に拡大、4万トンにすることを既に勧告している。

 

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北海道隣接サハリン州太平洋サケマス操業概況(8月27日) 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

2024-08-29 07:49:49 | 日記

2024年08月29日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[北海道隣接サハリン州太平洋サケマス操業概況(8月27日)]

北海道機船漁業協同組合連合会内、一般社団法人北洋開発協会(担当:原口聖二)は、この15年間にわたり、北海道の太平洋サケマス漁業との連動性、相互性を知るために、隣接するサハリン州の当該操業の漁獲情報のモニタリングを継続している。

今年2024年漁期、サハリン州(サハリン島・クリール列島沿岸)では同年8月27日までに3万6,420トンの太平洋サケマスが漁獲された。

この内、カラフトマスが3万1,010トン、シロザケ3,390トン、ベニザケ1,350トン等となっている。

当該漁獲量は直近偶数年2022年を1万3,800トン下回っている。

特に減少が著しいのは南クリール沿岸で1万3,500トン下回っている。

北クリール沿岸とサハリン南東部沿岸の減少は475トン、サハリン北東部沿岸は275トン下回っている。

一方、サハリン北西部沿岸は1,000トン上回っている。

 

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