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ロシア国際漁業見本市“INTERFISH 2010”を見学して
2010年10月下旬、私は、北転船(遠洋底びき網漁船)のロシア海域における来年の漁獲割当に関する業務でモスクワを訪問し、タイミングよく、滞在期間中の10月26日から同月29日まで当地で開催された、国際漁業見本市“INTERFISH 2010”を見学する機会を得たので、その概要を手短にリポートする。
“INTERFISH 2010”は、モスクワ中心部から、北西部へ約60kmに位置するモスクワ国際展示会場“クロッカス”エキスポセンターにおいて、ロシア連邦漁業庁長官クライニー氏が開会を宣言、VIPゲストによる展示視察で始まり、海外から12ケ国、内外150を越える企業が参加しておこなわれた。
展示内容は、漁業船団や造船、加工機器などの紹介が中心で、水産加工製品などの流通関連の提案は少なく、日本のインターナショナルシーフードショーなどとは趣が異なるもので、また、ロシア国内の出展者は、モスクワはもちろん、アルハンゲリスク、カリニングラード、ムルマンスクなど、西部、北西部地方の企業などが大勢を占め、極東地方からは、カムチャッカインペクス社を含め2、3社にとどまった。このことから会場で出会う日本の業界と付き合いの深いロシア人来訪者は、イズマイロフ氏、ジラーノフ氏をはじめとするモスクワの漁業政策当局の幹部OBが中心となった。
一方、この見本市では、期間中、産業の発展に関する会議・公開討論が用意され、「現代の養殖産業の発展のための科学的基礎、およびその製品の合理的な利用」に関する国際的な研究と実行についての会議、「沿岸漁業の規則の問題と調整」や「ロシア船団の国内造船所での建造の現状と展望」についてのパネルディスカッションがおこなわれた。
また、ロシア連邦漁業庁とノルウエー水産物輸出審議会がオーガナイザーとなり、「水産マーケットの未来」“ロシアは高品質水産製品で戦う”と題して、世界の水産市場のトレンドの急速な変化、水産食品の品質管理、新市場創出のための投資分配などのマーケット戦略なども討論された。
なお、今回の見本市で最も政策的な発信力を示したのは、ロシアの水産分野を所管する第1副首相ズプコフ氏が主催した、ロシア水産分野への漁業投資開発のための円卓会議だった。会議には、長官クライニー氏はもちろん、ロシア業界の指導者、海外からの代表者が出席、日本からは業界代表として(社)大日本水産会専務重氏も参加した。円卓会議では、ロシア200海里内資源の外国ユーザへの配分とロシア水産業への海外からの投資のあり方が“関連した問題”として話し合われ、日本業界にとってもロシアとの“付き合い方”を強く示唆するものとなったことを特筆しておくこととする。
2010年11月1日
北海道機船漁業協同組合連合会
参事補 原口聖二
2010年10月下旬、私は、北転船(遠洋底びき網漁船)のロシア海域における来年の漁獲割当に関する業務でモスクワを訪問し、タイミングよく、滞在期間中の10月26日から同月29日まで当地で開催された、国際漁業見本市“INTERFISH 2010”を見学する機会を得たので、その概要を手短にリポートする。
“INTERFISH 2010”は、モスクワ中心部から、北西部へ約60kmに位置するモスクワ国際展示会場“クロッカス”エキスポセンターにおいて、ロシア連邦漁業庁長官クライニー氏が開会を宣言、VIPゲストによる展示視察で始まり、海外から12ケ国、内外150を越える企業が参加しておこなわれた。
展示内容は、漁業船団や造船、加工機器などの紹介が中心で、水産加工製品などの流通関連の提案は少なく、日本のインターナショナルシーフードショーなどとは趣が異なるもので、また、ロシア国内の出展者は、モスクワはもちろん、アルハンゲリスク、カリニングラード、ムルマンスクなど、西部、北西部地方の企業などが大勢を占め、極東地方からは、カムチャッカインペクス社を含め2、3社にとどまった。このことから会場で出会う日本の業界と付き合いの深いロシア人来訪者は、イズマイロフ氏、ジラーノフ氏をはじめとするモスクワの漁業政策当局の幹部OBが中心となった。
一方、この見本市では、期間中、産業の発展に関する会議・公開討論が用意され、「現代の養殖産業の発展のための科学的基礎、およびその製品の合理的な利用」に関する国際的な研究と実行についての会議、「沿岸漁業の規則の問題と調整」や「ロシア船団の国内造船所での建造の現状と展望」についてのパネルディスカッションがおこなわれた。
また、ロシア連邦漁業庁とノルウエー水産物輸出審議会がオーガナイザーとなり、「水産マーケットの未来」“ロシアは高品質水産製品で戦う”と題して、世界の水産市場のトレンドの急速な変化、水産食品の品質管理、新市場創出のための投資分配などのマーケット戦略なども討論された。
なお、今回の見本市で最も政策的な発信力を示したのは、ロシアの水産分野を所管する第1副首相ズプコフ氏が主催した、ロシア水産分野への漁業投資開発のための円卓会議だった。会議には、長官クライニー氏はもちろん、ロシア業界の指導者、海外からの代表者が出席、日本からは業界代表として(社)大日本水産会専務重氏も参加した。円卓会議では、ロシア200海里内資源の外国ユーザへの配分とロシア水産業への海外からの投資のあり方が“関連した問題”として話し合われ、日本業界にとってもロシアとの“付き合い方”を強く示唆するものとなったことを特筆しておくこととする。
2010年11月1日
北海道機船漁業協同組合連合会
参事補 原口聖二
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