2016年03月17日
モスクワ発
[ノルウエーサーモン それは世界で最も有害な食品]
ロシアのプラウダ紙(WEB)は、フランスのジャーナリストが、ノルウエーサーモンについて、その養殖生産の過程を取材し、«Норвежский лосось – самая токсичная еда во всём мире», – утверждают французские журналисты “世界で最も危険な食品”だと指摘している旨を伝えた。
フランス人ジャーナリスト、ニコラス・ダニエルとルイス・デ・バルベイラクは、ベトナム、ノルウエー、スウエーデン、デンマーク等を訪問、数カ月にわたり水産業の内側を取材した。
この中でジャーナリストは、フィヨルドの海の下に隠されているとんでもない事実を発見したと、ノルウエーサーモンの養殖の現場をリポートした。
不衛生な生簀の中には病原菌、細菌、フナムシなどが繁殖している。
このため養殖サーモンは麻酔薬、ワクチン、抗生物質等を摂取させられている。
養殖場で働いている職員は、寄生虫を処理するため自身が化学物質に影響を受けないように、マスクや防護服を着用していることも珍しくない。
与えられる餌の配合は、色素、豚や鶏の原料入、殺虫剤成分、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が混入した脂肪、 フナムシを殺す化学薬品、病原体の集団感染を防ぐ抗生物質等となっている。
成魚ほど毒物汚染の程度が高く、問題が消費者にふせられてきた経緯にあり、これらの危険を回避することを勧めると結んでいる。
2014年6月「食べもの通信」から転載
[ノルウェー産サケは世界一汚染の ひどい食品]
高汚染 ノルウエーの養殖サケ
スーパーの魚売り場や回転寿司で、鮮やかなピンクにサシの縞が入ったサケ(大西洋サケやギンザケ、トラウト)を見ると、つい手が出てしまいます。
養殖サケは、安いうえに「オメガ3脂肪酸でコレステロール減少。頭も良くなる」と、日本の家庭や学校給食でも購入量のトップを占めています
日本の生サケ輸入の90%有害汚染物質が蓄積こうしたサケは、ほぼ全量が輸入の養殖物。
塩鮭などでおなじみの国産紅鮭(野生種)とは別物です。日本の輸入量全体では、チリが68%とダントツ(2012年。以下同様)。次にノルウェー 11%、アメリカ10%と続きます。
ただし、日本に輸入される生のサケは、90%以上がノルウェー産。
冷凍ものは80%以上がチリ産ですが、チリの輸出量上位を占める会社は、ノルウェー資本の企業です。世界全体でみると、ノルウェーのサケ生産量は13年に114万トンと、チリの46万トンに大きく水を開けています。
また、サケなどの海水養殖用の餌は、ノルウェー資本の2社が世界市場を独占しています。
しかし13年6月、当のノルウェー政府が「サケなど脂の多い魚には、有害汚染物質が蓄積されているので、若い女性や妊婦は週2回を超えて食べないほうがいい」との通達を出しています。
この通達は国内のみで、外国には伏せていることがわかり、ヨーロッパで波紋が広がっています。
フランスの公共テレビ「フランス2」は13年11月、北欧の清冽なイメージとはかけ離れた養殖魚汚染の実態を暴露するルポルタージュを放映しました。
ノルウェー産サケは世界一汚染のひどい食品
ノルウェーの養殖場では、数百万尾のサケを密集して飼っているため、病気や寄生虫が頻発します
これを防ぐため、原発労働者のような防護マスク・防護服を身に着けた職員が、ジフルベンズロンなどの殺虫剤を、太いホースで生け簀に撒いています。
養殖タラは、寄生虫駆除で使われる殺虫剤で、遺伝障害のある奇形魚が多発し、それが天然のタラにも広がっています。ノルウェーのベルゲン大学の調査では、養殖サケに含まれる有害化学物質の量は食品のなかで、ずば抜けて高いことがわかっています。
天然サケに含まれる脂肪分は5~7%ですが、脂が好まれるため、養殖ものは脂肪の多い飼料を与えて、15~34%に高めています。脂肪分の多い飼料には、バルト海産のイカナゴが大量に使われます。バルト海はアザラシの大量死でも知られる高汚染海域で、汚染はとくに脂肪に集中します。
スウェーデンでは魚屋でバルト海産の海産物を買うと、政府の指導で店員が「汚染が強いので週1回以上は食べないように。妊婦や乳児は食べてはいけない」と客に注意しているほどです。
モンサント社の殺虫剤を脂肪の酸化防止に使用
また、魚の加工工場から出る頭や内臓、規格不適合品などの残渣(残りかす)は、ほかの加工食品や化粧品、ペットフード、水産飼料の原料などにリサイクルされています。
さらに、飼料工場では米国の多国籍バイオ化学企業であるモンサント社が開発した殺虫剤・エトクシキン(野菜や果物用)を脂肪の酸化防止剤として添加しています。
欧州食品安全機関は、エトクシキンの人体への安全評価を行わないまま認可し、魚への利用をまったく規制していないため、その使用は野放し状態なのが実態です。ちなみに、その危険性を指摘する論文を発表したベルゲン大学の研究者は、上層部からの圧力で職を追われています。
このように、脂身の多い養殖魚では、水産飼料を通した食物連鎖によって、汚染が何重にも生物濃縮される構造があるのです。ノルウェーの環境団体は「とくにノルウェー産サケは世界一汚染のひどい食品」と警告しています。
ノルウェーの食品安全研究所に在籍していたフランス人研究者のC・ベチューヌ博士は「若年層では、養殖サケを食べる健康メリットよりも、ダイオキシンやPCBなどの害の方が大きい」と指摘しています。
ベルゲン大学生化学研究室のビヨールケ・モンセン博士は、「養殖サケに含まれる汚染物質は、脳の発達に悪影響を及ぼし、自閉症や活動過多症、知能低下にも関係する。また、免疫、ホルモン系、代謝にも悪影響をもたらす。汚染物質は、母乳を通して乳児にも移行する」と述べています。
残留汚染物質を調査 日本は水銀規制のみ
米国の学術雑誌『サイエンス』(04年303号)掲載の、養殖サケ中の残留汚染物質の調査は大きな反響を呼びました。それ以降、各国の専門家が警告を発しています。ロシアは06年にノルウェー産サケの輸入を禁止しました。
日本の厚生労働省は「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」(10年改定)を公表していますが、対象物質は水銀のみで、サケは含まれていません。
日本消費者連盟共同代表 真下俊樹
なぜチリやロシアの鮭は安くてまずいのか