2015年03月04日 モスクワ発
[“ルスコエモーレ・ダブイチャ”の売上が36%増となる]
ロシア水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)の"Русское море добыча"(“ルスコエモーレ・ダブイチャ”「ロシアの海・生産」)による売上が、2014年事業期、前年比36%増となったと発表された。
“ルスコエモーレ・ダブイチャ”の売上は2億2,800万ドルとなり、前年事業期の1億6,800万ドルから大きく売上を増加させた。
“ルスコエモーレ・ダブイチャ”の船団は、昨年2014年、極東海域において、スケトウダラ17万8,200トン、ニシン2万3,300トン等、*計21万400トンの水棲生物資源を漁獲した。
(*報告担当者 原口聖二:製品売上平均単価¥130/kg 洋上加工 H&G製品中心と推察される)
なお、今年、2015年、“ルスコエモーレ・ダブイチャ”は、スケトウダラ20万4,900トン、ニシン2万5,900トンを含め、計23万8,700トンの漁獲割当を確保している。
(関連過去情報)
2013年10月28日 モスクワ発
[ロシア大手“ルスコエモーレ”「ロシアの海」のスケトウダラ関連漁業会社買収6社に]
ロシア水産投資企業グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)の"Русское море добыча"(ルスコエモーレ・ダブイチャ)による、中国、韓国資本の不祥事を起こした漁業会社の買収が続いている。
“ルスコエモーレ”「ロシアの海」が、スケトウダラ、ニシン等の漁獲割当をもつ極東漁業会社の“ТУРНИФ”(トウルニフ)“Интрарос”(イントラロス)、“Востокрыбпром”(ヴォストークルイブプロム)“Совгаваньрыба”(ソフガバニルイバ)の4社に続き、"Балтстар холдинг"(バルトスタルホールデイング)と"Маликс"(マリックス)を買収したと、ロシアのメデイアは伝えている。
以前に買収された4社はいずれも、ロシア独占禁止庁が違反指摘した、中国企業“パシフィックアンデス”(PacificAndes International Holdings)に実質支配されていたとされる漁業会社の中に含まれているが、情報によると、"バルトスタルホールデイング"と"マリックス"についても、直接、漁獲割当を所有していないためリストにはないものの、同庁が指摘したスケトウダラ漁業の実質管理チェーンの一部とされている。
“ルスコエモーレ”「ロシアの海」はこれまでの買収により、所属漁船が合計11隻となり、これらの船団の昨年2012年の総漁獲量は18万8,700トン以上で、TACの占有率は10.7%に達し、"ルスコエモーレダブイチャ"は、ロシア最大のスケトウダラ漁業者に位置づけられている。
ロシア独占禁止庁は、今年2013年7月に韓国企業が、20のロシア漁業会社を実質管理し、ロシア排他的経済水域におけるスケトウダラ年間漁獲割当を、TACの12%-15%相当(22万トン-25万トン)違法に確保していたと指摘し調査を続けている。
この件についてロシア漁業庁は、外国人漁業者が、政府間協定の許可なしにロシアの排他的経済水域で操業することはできないとし、違法が確認された場合、その企業が持っていた漁獲割当は没収され、オークションに上場されることになるとしており、“ルスコエモーレ”「ロシアの海」は、これらの韓国資本の漁業会社買収の機会をうかがっていると伝えられている。
2014年04月23日 モスクワ発
[ルスコエモーレが黒字へ転換 軍へ製品を納品へ]
大統領プーチンの盟友で、石油トレーダーのゲナジー・チムチェンコが主要株主のロシア最大水産グループ“Русское море”(“ルスコエモーレ”「ロシアの海」)が数年ぶりに黒字へ転換したとForbes誌は掲載した。
2013年事業期“ルスコエモーレ”は、183億ルーブルの収益をあげ、4億3,640万ルーブルの純利益をだした。
“ルスコエモーレ”代表マキシム・ヴォロビヨフの父親、ユーリ・ヴォロビヨフは、現国防大臣ショイグが非常事態大臣を務めていた時代の同第1副大臣だった。
ショイグが国防大臣に着任したのが2012年11月であり、その数ケ月後の2013年2月から4月にかけて、“ルスコエモーレ”がロシア軍への水産物製品供給者となる契約が締結されたことをForbes誌はトピックスとして挙げている。
なお、“ルスコエモーレ”がロシア軍へ供給する水産物製品は、スケトウダラとマダラが中心となる。