ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

日韓漁業協定交渉再開に向け実務協議を準備 日韓旋網業界団体建議書を梃に

2024-02-20 15:33:45 | 日記

 

2024年02月20日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[日韓漁業協定交渉再開に向け実務協議を準備 日韓旋網業界団体建議書を梃に]

韓国海洋水産部長官カン・ドヒョンは2024年2月16日、釜山を訪問して7つの水産協同組合、水産物流通・加工業者と自治体関係者らなどと“釜山地域水産業団体昼食懇談会”に参加した。

カン・ドヒョンは、8年間漂流している日韓漁業協定交渉再開のために実務協議の準備に入ったと明らかにした。

2024年2月5日、サバなどを漁獲する旋網漁業者で構成される韓国の大型旋網水産業協同組合は、日本遠洋旋網漁業協同組合と共に、日韓漁業協定の妥結を促す建議書を両国政府に提出すると発表した。

今回のカン・ドヒョンが明らかにした内容は、この両国旋網業界の行動を受けてのものと評価されている。

2024年2月18日、地元漁業界によると、この16日の懇談会において、カン・ドヒョンが、日韓漁業協定交渉再開のために海洋水産部の実務レヴェルが動いていると話した。

地元一般紙(WEB)が伝えた。

 

(関連過去情報)

 

2024年02月05日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[日韓旋網業界団体 日韓漁業協定の再開を求める建議書を両国政府へ提出]

韓国と日本の旋網業界団体が、日韓漁業協定の交渉再開を促し、合意に基づく双方の排他的経済水域(EEZ)での操業を求める共同建議書を両国政府へ提出する。

韓国の大型旋網水産業協同組合が、2024年2月5日発表したと聯合ニュースが伝えている。

日韓間でEEZでの漁獲割当量などを定める日韓漁業協定の合意事項が期限切れになって久しい。

サバなどを漁獲する旋網漁業者で構成される韓国の大型旋網水産業協同組合は、日本遠洋旋網漁業協同組合と共に、日韓漁業協定の妥結を促す建議書を両国政府に提出すると発表した。

日韓漁業協定を巡り民間団体が政府に建議書を提出するのは初めてとされている。

日韓漁業協定は、日韓両国の漁船が互いのEEZで操業条件を守って漁業活動を行えるよう取り決めたもので、2016年に協定更新の交渉が決裂して以降は相手国のEEZ内で操業できず、韓国の水産業界は大きな打撃を受けている。

韓国の大型旋網水産業協同組合長チョン・グムソクは、両国の民間漁業間で異論のない旋網から、まず操業を開始して、8年間中断している交渉のきっかけとすべきだと訴えたとされている。

 

 

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米国アラスカ水産業界 歴史的国際市場低迷 本当の意味で衰退の年になる可能性がある

2024-02-18 19:53:18 | 日記

 

2024年02月18日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[米国アラスカ水産業界 歴史的国際市場低迷 本当の意味で衰退の年になる可能性がある]

米国大手、漁業・水産加工業“トライデント・シーフーズ”(Trident Seafoods)社、“ピーターパン・シーフード”(Peter Pan Seafood)社、そして“OBIシーフーズ”(OBI Seafoods)社が、今年2024年漁期に向け、施設の一時的閉鎖、売却の計画を発表している。

この3社は、いずれも、これらの理由について、同様に歴史的国際市場の低迷に関し言及している。

業界紙のジャーナリストは、昨年2023年のスケトウダラ製品の価格下落、サケマス漁業からの原料調達コストの負担問題を指摘している。

特にスケトウダラ製品の価格下落によって、取引意欲は低下し、利益率の高かったギンダラでさえ、加工業者は原料調達にアクセスしなかった。

これは、漁業者へ支払われる原料調達価格と製品加工販売卸売価格の双方の下落を招き、双方の業界にリスクが高まり、損失を被った状態となっていることを示している。

こうなった原因のほとんどは世界市場の状況に帰着する。

インフレとパンデミックは消費者の支出習慣を根本的に変え、同時に漁業者や加工業者の経営コストを上昇させた。

高金利も加工業者に特に大きな打撃を与えている。

中国との貿易条件も変化しており、米ドル高により、伝統的に大きな買い手である日本のような市場において、アラスカ産水産物製品を販売することが困難になっている。

市場においてロシアの水産物生産量が大きな注目を集め、存在感が増していることもある。

今後の大きな関心は、アラスカの水産業が近いうちに回復する兆候はあるのかということになるが、この業界紙のジャーナリストの取材では、地元関係者はまだどん底には達しておらず、今年2024年が、本当の意味において衰退する年になると考えているように受け止めたとリポートしている。

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ロシア漁業大手“ロシア漁業会社” 高次加工場“投資クオータ”義務違反 罰金10億ルーブルを求められる

2024-02-16 13:32:02 | 日記

 

2024年02月16日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業大手“ロシア漁業会社” 高次加工場“投資クオータ”義務違反 罰金10億ルーブルを求められる]

スケトウダラ漁業最大手ルスカヤ・ルイボァプロムシェレンナヤ・カンパニヤ「ロシア漁業会社」(Русская рыбопромышленная компания)の陸上スケトウダラ高次加工場”ルスキー・ミンタイ”「ロシアのスケトウダラ」(Русский минтай)が、“投資”クオータ“に義務付けの2019年締結資源利用協定で定められた製品生産基準を2021年時点で満たしておらず、これに違反したとして、ロシア漁業庁は、同社に対し罰金10億ルーブルを求める訴訟を起こした。

モスクワ仲裁裁判所が当該請求「事件番号A40-283545/23-11-2054」を検討している。

”ルスキー・ミンタイ”は“投資クオータ”を利用して、税制上の優遇措置等がとられる先行発展特区に指定されている”ナデジンスカヤ”地区に建設され、2020年7月、稼働を開始した。

工場建設費は約15億ルーブルで、1日あたり155トンのフィレ・ミンス等のスケトウダラ高次加工製品、20トンのフィッシュミールとオイルの生産が可能となっている。

 

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北海道隣接サハリン州 サケマス今期9万トン勧告 日刊みなと新聞

2024-02-16 11:09:39 | 日記

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韓国 東海(日本海)沖合イカ釣り漁船 減船申請急増(日本EEZまたがり資源) 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-02-15 16:24:22 | 日記

2024年02月15日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[韓国 東海(日本海)沖合イカ釣り漁船 減船申請急増(日本EEZまたがり資源)]

韓国東部沿岸沖合(日本海)でのイカの漁獲量が急減し、操業をあきらめ減船事業に参加する沖合イカ釣り漁業者が急増している。

2024年2月14日、江原道当局によると、同年年明け、沖合イカ釣り漁船60隻のうち、32%に相当する18隻が減船事業参加申請を行い、昨年2023年上半期の4隻と比較して大幅な増加となった。

沖合イカ釣り漁船の減船申請が急増した原因としては、漁獲量の急減が指摘されている。

昨年2023年、江原東部沿岸沖合で漁獲されたイカは1,364トンで、2022年(3,552トン)の半分にも及ばなかった。

また、東部沿岸沖合(日本海)全体でのイカの漁獲量も、20年前となる2004年(2万2,000トン)の6%レヴェルであり、当該漁獲量は2020年8,653トン、2021年6,232トンと、毎年減少している。

専門家らは中国漁船による乱獲、水温の上昇等を原因として指摘している。

明るい展望が見えない状況下、一部の沖合イカ釣り漁業者は船を港に停泊させておくより補償金を受けて廃業する判断をしているが、政府から補償の算定評価として操業実績が求められ、早い段階で離脱した漁業者が、これらの調整を求めていることも伝えられている。

なお、大型トロール、西海トロール、そして西南海区中型トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域で、現在、韓国イカ漁業の約6割の生産を西岸沖合漁場が占める実績を示しており、日本の資源評価において、この動向を論議の対象外としていることが、大きな問題点として指摘されるところとなる

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ロシア 2023年 水産物輸出 12%増 220万トン 半分以上が中国向け  日刊水産経済新聞

2024-02-14 11:58:29 | 日記

2024年02月14日 日刊水産経済新聞

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ロシア 2023年 養殖漁業40万トン超す / ロシア 2024年 極東漁業好スタート 2月6日現在 32万トン  日刊水産経済新聞

2024-02-14 11:55:24 | 日記

2024年02月14日 日刊水産経済新聞

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ロシア魚粉2%下落 23年11月 依然として高値  日刊みなと新聞

2024-02-14 11:51:38 | 日記

2024年02月13日 日刊みなと新聞

ロシア魚粉2%下落 23年11月 依然として高値

ロシアで生産するフィッシュミール(魚粉)の2023年11月平均価格はトン15万9280ルーブルだった。前月から2%下落したが、前年同月比76%高と依然として高値水準だ。北海道機船漁業協同組合連合会が伝えた。
魚粉価格はウクライナ侵攻後の22年4月に13万ルーブル超にまで高騰。いったん9万ルーブル台に下落したが、昨年から再び上がった。背景にはウクライナ情勢の他、ペルーの減産があるとされる。
道機船連によると、同国23年1~11月の魚粉生産量は前年同期比10%増の16万2160トン。

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米国 30年ぶりのトロール加工漁船竣工“アークティック・フィヨルド” (Arctic Fjord)  北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-02-12 10:16:21 | 日記

 

2024年02月12日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[米国 30年ぶりのトロール加工漁船竣工“アークティック・フィヨルド” (Arctic Fjord)]

米国ルイジアナ州のトーマ・シー・マリン・コンストラクターズ(Thoma-sea Marine Constructor)造船所で建造されたNVC336WP型トロール加工漁船“アークティック・フィヨルド”(Arctic Fjord)が、シアトル根拠顧客船主のアークティック・ストーム・マネージメント・グループ(Arctic Storm Management Group)社に引き渡された。

米国で建造された加工トロール漁船としては30年ぶりとなる。

ロシア業界紙(WEB)が伝えた。

“アークティック・フィヨルド”はベーリング海でスケトウダラ操業に着業することになる。

デザインはノルウエーの“コングスベルグ・マリタイム”(Kongsberg Maritaime)社によるもので、全長99m、幅21m、乗組員152名となっている。

船内では、スケトウダラのフィレ、すり身、スケコ、そしてフィッシュミールとオイルが生産され、製品の保管能力は4,000㎥となっている。

 

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ロシア農相 商業養殖漁業 10年間で倍増 国家支援の貢献を強調 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

2024-02-11 20:16:48 | 日記


 

2024年02月11日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア農相 商業養殖漁業 10年間で倍増 国家支援の貢献を強調]

ロシア農業大臣パトルシェフは、この10年間で商業養殖漁業生産が倍増し、この背景に国家支援があることを強調した。

パトルシェフは、当該期間、商業養殖漁業生産に対し、計1,570億ルーブルの国家支援が行われていて、このセクターの発展に貢献したと説明した。

昨年2023年、ロシアの商業養殖漁業生産量は40万2,000トンに達したと報告されている。

 

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#76 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 トランプの大統領復帰で洋上風力発電は壊滅へ

2024-02-11 19:52:36 | 日記

 

2024年02月10日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#76 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 トランプの大統領復帰で洋上風力発電は壊滅へ]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

この中にあって、米国と英国は、現政権が示したエネルギー政策のために、無理筋とも言える政府支援の準備を始めた。

当然、負担は両国国民からの税収であり、特に、今後、次期米国大統領選挙の動向との連動性が注目されるところとなっている。

バイデン政権を支える高官の一人で、インフラ等許認可評議会事務局長エリック・バイテルは、前大統領トランプの復帰が、クリーンエネルギープロジェクト、特に洋上風力発電プロジェクトを壊滅させるのではないかと懸念していると率直に語った。

バイデンは洋上風力発電プロジェクトの活性化を目指しており、この3年間で、商業規模のプロジェクト6件を承認し、当該産業を気候変動への中心的政策に据えている。

一方、バイテルは、トランプのホワイトハウス復帰により、クリーンエネルギー、特に依然として苦戦を強いられている洋上風力発電産業が壊滅する可能性があると指摘している。

前回のトランプ政権で、洋上風力発電は基本的に停止していたとバイテルは語り、有権者が2024年11月の大統領選挙でトランプを選出した場合、バイデンがとっていた優先事項にダメージを与えるだろうと加えた。

トランプは2020年の演説で、「家の近くに風車があるなら、おめでとう。あなたの家の価値は75%下がったということだ。」と述べ、 「騒音がガンの原因になると言われている。そして、もちろん、鳥にとっては墓場のようなものだ。」と言及していた。

 

 

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#75 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米英 相次ぐプロジェクトのキャンセルに現政権無理筋支援

2024-02-11 18:45:20 | 日記

 

2024年02月10日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#75 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米英 相次ぐプロジェクトのキャンセルに現政権無理筋支援]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

この中にあって、米国と英国は、現政権が示したエネルギー政策のために、無理筋とも言える政府支援の準備を始めた。

当然、負担は両国国民からの税収であり、特に、今後、次期米国大統領選挙の動向との連動性が注目されるところとなる。

2024年2月8日付日本経済新聞(ロンドン=湯前宗太郎様/ヒューストン=花房良祐様)は、“米英、洋上風力発電の支援拡充 開発費膨張に対応”と題し、次のとおりリポートしている。

昨年2023年はバッテンフォールなどエネルギー大手の間で洋上風力を巡る停滞感が強まった。

米国と英国が洋上風力発電事業の立て直しに動き始めた。米国では開発事業者を募る好条件の入札が実施された。英国は今年、電力販売価格の目安となる入札の上限価格を前年から約7割引き上げる。2023年に開発費の膨張で企業の損失や事業中止が相次いでおり、支援拡充で停滞に歯止めをかける。

米ニューヨーク州は1月25日、洋上風力発電について開発事業者に有利な条件を導入して実施した入札を締め切った。事業者が過去の入札で決めた契約を保有していても、キャンセルして開発費や売電価格を見直せる。

背景には洋上風力に吹く逆風がある。インフレや高金利などが重なり、洋上風力の開発費は膨らんでいる。米ブルームバーグNEFによると風力発電設備の世界平均価格は、23年後半に1000キロワットあたり99万ドル(約1億5000万円)だった。新型コロナウイルス禍前と比べて3割高い水準だ。

風力発電は稼働を始める数年前に、事業者が開発コストなどを基に顧客と売電価格を決めるのが一般的だ。米国では費用の膨張を受けて、事業者のコストが2年前の見積もりと比べて約5割増えているという。

コストが想定以上に高くなると、事業者は採算が取れず計画を中止せざるを得ない。ニューヨーク州が過去の契約を変更できる入札を実施したのは、事業者のリスクを減らす狙いがある。

英国は3月から募集を始める入札で、電力販売価格の目安となる上限価格を23年に実施した前回から66%引き上げる。米国と同様に事業費の膨張に対応する。

英政府は風力発電に「差額決済契約」と呼ぶ制度を導入している。政府が示した上限価格の枠内で入札を実施し、事業者が収益を受け取れる固定価格を決める。電力の市場価格が固定価格を下回った場合でも、政府による差額の補塡で事業者の収益を実質的に保証する仕組みだ。

入札の上限価格の引き上げで、応札価格が上がれば、固定価格も上昇し、事業者は収益を確保しやすくなる。

23年に実施した入札では「プロジェクトの費用が40%上昇した」(スウェーデンの電力大手バッテンフォール)といい、応札がゼロだった。英政府は支援を手厚くして事業者に参画を促す。

米英が洋上風力の立て直しに動くのは、カーボンニュートラル(温暖化ガスの実質排出ゼロ)の達成に欠かせない電源だからだ。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、22年時点で世界の洋上風力の累計導入量は約6300万キロワット。再生エネ全体に占める比率は2%弱にとどまる。

中国と英国、ドイツが約8割を占め、一部の国でしか導入が進んでいない。米国など今後導入を増やす国が多く、潜在力への期待は大きい。国際エネルギー機関(IEA)は開発が加速した場合、23〜28年の新規導入量は約1億8000万キロワットと、17〜22年比で4倍弱に拡大すると試算する。

だが、23年は特に米英での急ブレーキが目立った。英BPとノルウェーの石油大手エクイノールは10月、ニューヨーク州沖で進めていた3つのプロジェクトに関し、計8億4000万ドルの減損損失の計上を発表。24年に入ると一部事業が中止に追い込まれた。

ニュージャージー州沖では11月、洋上風力最大手でデンマークのオーステッドが2つのプロジェクトからの撤退を公表した。英国でもバッテンフォールが7月、東部沖での世界最大級のプロジェクトの中止を決めた。

バイデン米政権は30年までに洋上風力で、3000万キロワットの導入を目標とするが、最近では半分程度にとどまるとの予測も出ている。累計導入量で世界2位の英国も、同年までに導入量を22年比で3.6倍の5000万キロワットまで引き上げる計画を掲げる。

英国に本部を置く気候問題シンクタンク、E3Gのサイモン・スキリングス氏は「23年のような状況が続けば目標達成は厳しくなる」と指摘する。

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#74 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 行政がタラ産卵場等懸念生息域を指定へ

2024-02-11 17:29:49 | 日記

 

2024年02月09日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#74 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 行政がタラ産卵場等懸念生息域を指定へ]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

米国海洋大気庁(NOAA)は、ナンタケット島とブロック島の間のニューイングランド南部沖の洋上風力発電開発プロジェクトのためにマークされた数万エーカーの海域について、タラの産卵行動に影響を与える可能性がある等、“特に懸念される生息域”(*コックス・レッジや重要なタラの産卵地域を含むニューイングランド南部沖の洋上風力エネルギー開発プロジェクト周辺の「特に懸念される生息域」)を指定する準備をしている。

NOAAは、タラの産卵行動、多くの魚種に貴重な生息地を提供する敏感な生態域“コックス・レッジ”を含め、洋上風力発電からの影響が懸念されることから、これを2024年3月6日にニューイングランド漁業管理評議会にこれらへの対応を提案する予定としている。

米国海洋エネルギー管理局(BOEM)、NOAA、そして漁業者らは、この海域で洋上風力発電所が建設された場合のタラの産卵場、生息地をどのように保護するかについて長い間議論しており、NOAAの専門家は特に生態域“コックス・レッジ”周辺で起こり得る影響を指摘している。

NOAAは、この生態域にタラの産卵場があり、重要な魚種の機能を果たすことが知られている複雑な生息域が含まれていると指摘した上で、ニシン、エイ、アンコウ等にとって初期の生活史の捕食者からの避難所と摂食の機会等を提供していることを説明している。

*コックス・レッジ(Cox Ledge)

米国ロードアイランド州ニューポート沿岸の海底地形。ニューイングランド南部のタラ釣りに適した沖合として知られている。

 

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繰り返えされるオークション 利用者がでない深海カニ資源利用契約切れ対象漁獲割当 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-02-09 14:01:48 | 日記

 

2024年02月09日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[繰り返えされるオークション 利用者がでない深海カニ資源利用契約切れ対象漁獲割当]

ロシア漁業庁は、利用者がでない深海カニ資源利用契約切れ対象漁獲割当のオークションを繰り返しており、次回、2024年2月28日に設定した。

参加申請期限は同年2月26日となっている。

資源利用契約が終了した深海カニの残枠4ロットを対象とするカニ漁獲割当オークション第1弾の追加として、前回、2023年12月19日、当該オークションが実施される予定だったが、参加申込期限までに応札申請者がなく、不成立となった。

それより先の2023年11月22日にも、当該オークションが実施される予定だったが、同様に応札申請者がなく、不成立となっていた。

上場が発表されているのは、沿海地方海域と西サハリン海域のベニズワイガニ、北部オホーツク海域と東サハリン海域のトゲズワイガニ、それぞれTACの16.666%、計4ロットとなっている。

規則では、再オークションの場合、スタート・プライスを下げて上場することが可能となっている。

前回、ロシア漁業庁はこれを利用せず、前々回と同じ5億717万7,000ルーブルとしていたが、今回は4億5,650万ルーブルに下げ、インセンティブを与えている。

オークションの漁獲割当落札者にはロシア国内造船所において全長50m以上のカニ漁船の建造が義務付けされることとなっている。

オークションが設定された背景には、沿海地方のテフィダ(Тефида)社が、“国防•安全保障戦略産業に対する外国人投資手続法” (外国人投資法)に抵触し、ロシア漁業庁から資源利用契約が打ち切られ、残枠が発生したものと見られている。

2020年10月30日に開催された当該第1弾のオークションで、テフィダ(Тефида)社が深海ガニ4ロットに応札申請、他に応札者がなく、規則に基づき、スタート・プライスでこれらを獲得していた。

しかし、2022年3月、ロシア独占禁止庁が、同社が米国資本により不当に管理されていると認定、その後、訴訟判決結果等、一連の経緯を受け、ロシア漁業庁は、2023年7月、資源利用契約を打ち切った経緯がある。

ロシアでは2022年10月7日付連邦法No.389-FZで、外国人投資法が改正され、漁業活動への外国人資本参加が完全事前承認制となっており、これは漁獲割当配分を受ける漁労事業ばかりでなく、加工、積替え、荷揚、輸送、保管等、漁業活動にかかるすべてを対象としている。

これより先の2021年7月にも、やはり“外国人投資法”の改正が行われており、漁業分野の外国人資本参加の事前承認の義務付け上限を、50%から25%とする規制強化がなされていた。

 

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期待が寄せられるアムール川起源シロザケを含めたハバロフスク地方太平洋サケマス操業  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

2024-02-07 20:34:28 | 日記

 

2024年02月07日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[期待が寄せられるアムール川起源シロザケを含めたハバロフスク地方太平洋サケマス操業]

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ・ハバロフスク支部ハバロフスク・ニロは、日本EEZに来遊するアムール川起源のシロザケを含め、今年2024年漁期、ハバロフスク地方の太平洋サケマスの漁獲量が数年ぶりに5万トンを超えるとの予想を明らかにしている。

今月2024年2月には、迎える今漁期の極東地方における地域別当該操業戦略が話し合われる予定となっている。

ハバロフスク・ニロ支部長のデニス・コチュクは、太平洋サケマス操業戦略が計画通り準備されていると語り、ハバロフスク地方の当初漁獲量を約5万2,000トンに設定することを提案していると明らかにした。

5万トンを超えるのは数年ぶりであり、この2年間、漁獲実績は3万トンを超えていない。

一昨年2022年には3万3,600トン、昨年2023年は2万8,000トンだった。

コチュクは、カラフトマスの生産的な年級群が確保されると言及、これは2016年以来で、当該資源の集約された来遊を予想しており、アムール川での遡上行動等への期待とも関連付けられると加えた。

また、コチュクは、迎える今漁期に向けて提案されている規制措置についても語り、より詳細な議論は、ヴニロが今月2024年2月に、極東地方で開催する伝統的な会議の枠組みにおいて行われ、春に開催される極東科学操業評議会で地域戦略が決定されることになると述べた。

 

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