ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

中国 ロシア産スケトウダラ原料再加工ビジネスの鈍化   リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-04-17 12:04:00 | 日記

2024年04月17日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[中国 ロシア産スケトウダラ原料再加工ビジネスの鈍化]

今年2024年明けから、中国のロシア産スケトウダラ原料再加工ビジネスの鈍化が確認されているとロシア業界紙(WEB)が伝えた。

2024年1月-2月、ロシア産冷凍スケトウダラ(H&G・W/R)の中国による輸入量は7万7,770トンで、前年2023年同期の9万1,060トンより14.5%減少した。

昨年2023年の中国のスケトウダラ輸入量は59万8,540トンで、前年2022年とほぼ同水準だった。

米国は、2022年7月、ロシアからの水産物製品の輸入を全面禁止し、更に2023年12月には、第3国が加工した製品についても、ロシア原産水産物の輸入を禁止する追加制裁措置をとった。                           

EUは、2024年から2026年の新たな自主関税割当(ATQ)制度から、ロシア産の主要なスケトウダラ等の白身魚を含め水産物製品を除外、輸入免税はなくなり、13.7%の標準関税が設定され、さらに、第3国が加工した製品についてもこれが対象になったと伝えられている。                                        

英国は、2022年7月、ロシア産白身魚の輸入関税を引き上げ、35%を設定し、現在、第3国が加工した製品についてもこれを対象とする検討が開始された。

これらすべての政策変更は、中国の再加工メーカの原料仕入れと製品供給戦略の調整につながったと評価されている。

2024年明けから、中国は原料仕入れの減少と並行し、スケトウダラの再加工製品の輸出も減少させている。

2024年1月-2月の中国のスケトウダラ製品輸出は、フィレが2万5,240トンで、前年2023年同期の2万7,400トンより2,000トン以上減少している。

一方で中国は、ロシア産と比較して、まだ数量は少ないものの、米国産冷凍スケトウダラの輸入を増加させており、当該戦略調整を指し示す動向となっている。

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ハバロフスク税関 中国人によるナマコ大規模密輸を摘発

2024-04-17 09:02:15 | 日記

 

2024年04月17日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ハバロフスク税関 中国人によるナマコ大規模密輸を摘発]

ハバロフスク税関は、大規模なナマコ製品の密輸を試みた中国人(47)を摘発した。

当局職員は、定期航路船に乗り込んだ、この中国人が、違法に乾燥ナマコ40kgを隠し持っていたところを発見した。

ロシアでナマコは戦略的に重要な生物資源に位置づけされている。

この中国人は税関検査での口頭質問において、申告対象品を所持していないと答えていた。

摘発にあたり、中国黒河市へ運び、2次加工製品を生産する企てを認めた。

ハバロフスク税関は、ロシア連邦刑法第226条第1項-1(戦略的に重要な資源の密輸)に基づき刑事立件のための手続きを開始した。

現在、この市民は自宅軟禁下にあり、3年から7年の懲役と最高100万ルーブルの罰金が科せられる可能性がある。

黒河市は黒竜江省北部の黒竜江沿岸に位置しアムール川の岸辺にあり、対岸のロシア連邦アムール州を望む北辺の町となっている。

358キロにわたる国境により下部行政区画である愛輝区、孫呉県城、遜克県城がそれぞれロシアと接する。

愛輝区の対岸は、ロシア極東地区第3の町、アムール州都ブラゴヴェシチェンスクで、その距離は僅か750メートルとなっている。

 

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韓国スルメイカ漁獲比率 西海岸8割以上 日本の科学研究機関資源評価から除外 日刊水産経済新聞

2024-04-16 11:57:08 | 日記

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ポスト英国EU離脱 また勃発した英仏漁業紛争   北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

2024-04-16 09:25:57 | 日記

 

2024年04月16日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ポスト英国EU離脱 また勃発した英仏漁業紛争]

英国が自国海域の脆弱な生態系保護生息地一部海域へのトロール漁船の入域を禁止したことを受け、フランスは漁業権をめぐり同国との紛争を開始した。

フランス外交部は2024年3月19日、EU閣僚会合でこの問題を提起し、漁業・貿易措置を執行する欧州委員会の当局者らは、これに対応することとなった。

フランスはEUに対し、英国の措置がEU離脱後の貿易協力協定に違反するか判断するよう求めており、英国に対する懲罰措置につながる可能性がある。

英国は2024年3月、自国海域の保護区(サンゴ礁等)一部海域においてトロール漁業を禁止した。

この規制は当該海域で長年漁業を行ってきたフランス漁船ばかりでなく、自国、英国漁船にも適用される。

フランスのブローニュのトロール漁船団は漁獲量の多くをこの海域に依存しており、極右政治家らは英国がフランスの漁業に「斧」を突きつけていると非難している。 

2018年、英国漁船がノルマンディ沖でホタテ漁を始めたことにフランス漁業者が激怒、40隻の漁船が出て、船体をぶつけたり、石を投げつけるなどの騒ぎに発展した。

2021年には、英国がEUを離脱したのを機に、同国が自国海域内での操業を厳格化したことにフランス側の漁業関係者が反発、事態鎮静化のため英国海軍所属警備艇2隻を派遣する事態となった。

英国のEU離脱による漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年6月まで実行される。

譲渡のプロセスは(括弧内は全体に対する比率)次のとおりとなる。

2021年:60%(15.0%) 2022年:70%(17.5%) 2023年:80%(20.0%) 2024年:92%(23.0%)

2025年:100%(25.0%)

非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。

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#80 洋上風力発電と漁業 海外の経験 欧州 レポ”風力発電の美辞麗句と現実“せたな町2基とも停止

2024-04-15 17:45:05 | 日記

2024年04月15日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#80 洋上風力発電と漁業 海外の経験 欧州 レポ”風力発電の美辞麗句と現実“せたな町2基とも停止]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

2014年4月14日付“朝日DIGITAL”(日浦統様)は、稼働から20年を迎えた北海道せたな町の日本初の洋上風車「風海鳥」が当月、稼働開始から20年を迎えたが、耐用年数を超え、2基とも故障し、停止中だと伝えた。

1基は部品を交換して再稼働する計画だが、もう1基の修理は難しく、「取り壊すしかない」(高橋貞光町長)とのことだ。

近年、風力発電は住民への悪影響を減らすため、陸上から洋上へとシフトが進んでいる中、北海道がその「最適地」として期待が高いものの、将来の解体廃棄という難題が見えてきたと報告している。

英国の再生可能エネルギー財団“Renewable Energy Foundation”は、2020年11月、レポート“風力発電の経済-レトリック(美辞麗句)と現実”を発表している。

洋上風力発電プロジェクトのコストの予測は、押しなべて規模の拡大と経験効果によって、設置容量の増加にともない平均コストが低下すると説明されているが、現実には、容量が増加するたびに発電コストは上昇しており、その重要な要因の一つに、予想以上に早期に多発する故障にあると指摘している。

 

 

2020年08月19日 北海道新聞様から転載

[折れた羽根 修理中 せたな町「風海鳥」 国内初の洋上風車]

檜山管内せたな町は、ブレード(羽根)の破損で2018年12月から運用を停止している国内初の洋上風車「風海鳥(かざみどり)」2号機を修理している。

風車は瀬棚港の沖合約700メートルにそびえ、支柱の高さは約40メートル。

04年、旧瀬棚町が2基設置し、運営。

長さ約23メートルのブレード3枚のうち、1枚の先端部分約1メートルが折れた。

落雷が原因とみられ、安全面から停止した。

町は、デンマークの製造元ベスタス社の関連会社から部品と作業員2人を手配。

7月下旬、失ったブレードの先端部分を接合する作業に着手した。

 

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ロシア 2023年サケマス漁2倍超 好調のカラフトマスけん引  日刊みなと新聞

2024-04-14 18:33:52 | 日記

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2024年ロシア春季オ海抱卵スケトウダラ操業“Aシーズン” 製品出来高すり身生産40%増3万トン リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-04-11 20:20:09 | 日記

2024年04月11日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2024年ロシア春季オ海抱卵スケトウダラ操業“Aシーズン” 製品出来高すり身生産40%増3万トン]

今年2024年ロシア春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業、所謂“Aシーズン”が極東漁業規則に従い、モスクワ時間同年4月9日1700にこれを完了した。

100日間におよぶ当該操業の漁獲量は83万トンを超え、前年2023年同期比3.2%増の生産となった。

また、報告期間、極東海域全体のスケトウダラの漁獲量は105万トンに達し8.6%増となった。

盛漁期、115隻のトロール漁船がスケトウダラ操業に着業、1日あたりの漁獲量は、最大で1万トンを記録した。

現在、オホーツク海(主要3海域:カムチャツカ・クリール/西カムチャツカ/北部オホーツク)におけるスケトウダラのTAC開発率は87%で、夏場の西カムチャツカ大陸棚操業の2万トン-3万トンと、秋季“Bシーズン”9万トン-10万トンが残枠となるが、良好な漁業状況と向けられる操業努力量を勘案した時、当該海域の年末までのTAC開発率は98%-99%、生産量が95万トンに達すると見積もられている。

今漁期、製品の生産は一連の制裁措置による海外市場の不確実性から、フィレとミンスを前年と同水準の6万トンとし、すり身を40%増産させ3万トンまで引き上げ、冷凍スケトウダラ(H&G・W/R)も7%増の39万7000トンとした。

ロシア国内市場へのスケトウダラ製品の供給量は増加しており、今年2024年第1四半期には、原魚換算ベースで漁獲量の約26%相当、製品ベースで10万トンを超えた。

昨年2023年、ロシア漁業者によるスケトウダラの漁獲量は過去25年間で最高となる196万トンだった。

今年2024年のスケトウダラの TAC は228 万5,000 トンに設定されており、同年末までに生産量が、昨年を上回る200万トンに達するものと予想されている。

(関連過去情報)

2024年03月08日 リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二                                          

[ロシアのスケトウダラ漁業がすり身増産に向かう理由と制裁措置]                                

ロシアのスケトウダラ漁業は、洋上でH&G(ドレス)を生産し中国へ輸出、中国が陸上でフィレ加工してEUへ再輸出することで成立してきた。                                                        

また、一方、“投資クオータ”を活用した高次加工戦略により付加価値産業化を目指し、ここ数年、自ら洋上と陸上でフィレ加工を行い、直接、EU市場へ製品供給を拡大する試みを行ってきた経緯がある。                   

しかし、一連の制裁措置の影響で輸出が、過度に中国向けに集中、同国の経済悪化もともなって、供給価格が低迷している。                                                                     

2023年1月-10月、前年2022年同期比で輸出数量が11%増加しているものの、金額ではわずかに1%で、10%のラグが発生しており、実質的にロシアの輸出価格が下落したと評価されている。                        

これらの主な要因となる、非友好国による制裁措置を今回のリポートで整理しておくこととする。               

米国は、2022年7月、ロシアからの水産物製品の輸入を全面禁止し、更に2023年12月には、第3国が加工した製品についても、ロシア原産水産物の輸入を禁止する追加制裁措置をとった。                           

EUは、2022年3月以降、ロシアの水産物製品輸出者リストを更新していない。                          

また、EUは、2024年から2026年の新たな自主関税割当(ATQ)制度から、ロシア産の主要なスケトウダラ等の白身魚を含め水産物製品を除外、輸入免税はなくなり、13.7%の標準関税が設定され、さらに、第3国が加工した製品についてもこれが対象になったと一部伝えられている。                                        

英国は、2022年7月、ロシア産白身魚の輸入関税を引き上げ、35%を設定し、現在、第3国が加工した製品についてもこれを対象とする検討が開始された。    

これらの背景から、ロシアのスケトウダラ漁業における高次加工は、益々、すり身生産に傾注、アジア市場を目指すことになると予想される。                   

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概ね同等の資源評価 日本海スケトウダラTAC運用のあり方で日本とロシアの経済効果差が20億円に達している  日刊水産経済新聞

2024-04-11 10:24:13 | 日記

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ロシア農相 養殖拡大へ国内企業支援 スモルト生産の準備指示  日刊みなと新聞

2024-04-11 10:14:26 | 日記

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ロシア独占禁止庁 再び原則論に戻り漁獲割当配分の全量オークションを求める   リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-04-10 13:38:01 | 日記

 

2024年04月10日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア独占禁止庁 再び原則論に戻り漁獲割当配分の全量オークションを求める]

ロシア独占禁止庁(長官マキシム・シャスコリスキー:Максим Шаскольский)は、昨年2023年の競争発展に関する報告書において、再び原則論に戻り、漁獲割当を全量オークションで配分することを主張している。

これは、カニ以外の漁獲割当の内、配分済“投資クオータ”で残された、過去の漁獲割当実績に応じ配分されている所謂“歴史的原則”に基づく総許容漁獲量の56%部分を標的としている。

カニ漁獲割当は、既に、全量オークションにより配分済となっている。

ロシア独占禁止庁は、当該オークションの導入が国家の競争の発展、地域の生産施設への投資に貢献すると主張しているが、漁業界にはこれまでの莫大な投資への経緯から懸念が広まりつつある。

 

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ロシア漁業ニュースヘッドライン 2024年04月  http://kisenren.com

2024-04-10 11:15:11 | 日記

              2024年04月10日

 

ユーザー 各位

 

 

拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

 さて、ロシア上院で、2024年3月6日行われた、英国との漁業協定破棄法案採択の際、同院議長マトヴィエンコが、漁業分野におけるすべての政府間協定に関し、ロシアにとっての利益の有無の分析を開始すべきと提案したことについて、後にロシア漁業庁長官シェスタコフはこれを支持すると表明しました。

一方でシェスタコフは、漁業協定のメリットやデメリットの問題は複雑で、包括的に検討する必要があると強調、各国がロシアEEZに入域し、単純に操業を行うことを許可するという協定は結んでいないと説明して、同時にロシア漁業者が相手国EEZに入域するものや、 金銭補償と引き換えに漁業権をロシアが提供するという協定も存在しており、 儲かるか儲からないかという問題は常に諸刃の剣だと言及、これらすべての合意を全体として検討する必要があり、上院、下院の両院とともに分析するつもりだと加えました。

今月号においては、これらのロシア漁業の重要な判断、政策の動向に関する直近の情報を集約し、TopNews としてご報告申し上げます。

なお、今年2024年も年明け1月1日から開始された、ロシア漁業にとって最も重要な春季オホーツク海抱卵スケトウダラ操業、“Aシーズン”が終漁に向かっています。当該操業、ならびに同時展開されているニシン操業等の関連情報もあわせてお知らせ申し上げます。

                                                         敬具

(国際漁業対策事業部;原口聖二)

 

 

TopNews ロシア漁業庁長官 全ての漁業協定のロシアの利益の有無の分析の開始提案を支持

・第32回ロ中漁業委員会が完了する(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外31件)

・プーチン 投資目的漁獲割当 莫大な税収は沿岸地域へ(投資クオータ/漁獲割当オークション関連外9件)

・ロシア漁業者漁獲量 137万8,900トンとなる(ロシア漁業生産/貿易動向関連外7件)

・2024年ロシア春季オ海抱卵スケトウダラ(日本EEZまたがり資源)操業(“Aシーズン”関連4件)

・ロシア漁業者オホーツク海春季ニシン操業概況(スケトウダラ・マダラ・ニシン等操業関連13件)

・ロシア漁業者バレンツ海カペリン操業概況(バレンツ海カペリン操業関連4件)

・サケマス定置網漁業投資貢献義務規則案が公開される(太平洋サケマス操業関連)

・ロシア科学研究機関 イワシ漁業ダイナミズム 40年前漁期との比較(イワシ・サバ・サンマ操業関連3件)

・ロシア国境警備局 バレンツ海で自国漁船を違法漁業で拘束(ロシアFOC/IUU取締情報関連)

・ロシア極東のカニ王 アレッグ・カンはやはり死んでいたのか(その他ロシア漁業関連情報等外11件)

・韓国生鮮スケトウダラ市場 日本産がロシア産に置換される(韓国スケトウダラ市場関連外1件)

・日本科学研究機関によるスルメイカ韓国西海(黄海)の漁獲情報除外の不具合(韓国漁業関連外5件)

・英国 フェロー諸島との交渉で漁獲割当2,200トン確保(ポスト英国EU離脱Brexit関連)

・洋上風力 漁業を犠牲にしてまで推進する意味があるのか(洋上風力発電と漁業 海外の経験外2件)

 

計101オリジナル報告

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ロシア漁業庁長官 プーチンに2023年の漁業分野の結果等を報告  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-04-09 12:08:52 | 日記

 

2024年04月09日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業庁長官 プーチンに2023年の漁業分野の結果等を報告]

ロシア漁業庁長官シェスタコフは、今般、大統領プーチンに対し、昨年2023年の漁業分野の結果、経済的インデクス、投資目的漁獲割当義務付けプロジェクトの実行状況等を報告した。

昨年2023年のロシアの水棲生物資源漁獲量は530万トンに達し過去最高を記録した。

当該漁獲量の約75%を極東海域が占め、前年2022年比で14%増加し、400 万トンに達した。

この増加の主要因の一つとして、データが残る中、過去2番目で60万9,000トンに達した太平洋サケマス操業の成功が指摘された。

また、昨年2023年、ロシアの商業養殖漁業生産量は40万2,000トンとなり、前年2023年を4.8%上回った。

主な製品は、サケマス(タイセイヨウサケ・トラウト等)とコイで、加えて、チョウザメ、ホタテ、イガイ(ムール)、ウニ、カキ等が生産された。

商業養殖の漁業生産量はこの10年間で2倍以上となり、2023年までに60万トンに達すると予想されている。

来年2025年には養殖飼料需要を国産で完全に満たす準備が整っている。

現在、すでに15の地域に飼料生産施設が建設されており、2030年までには、年間25万トンの国産飼料生産が可能となると見積もられている。

投資目的漁獲割当(“投資クオータ”+カニ漁獲割当オークション)に義務付けされた漁船建造プロジェクトにかかる105隻について、2026年までに全船が竣工、2027年にはこれらが操業を開始しているとの見通しを報告した。

当該第1弾では、既に23隻が竣工、就役している。

一連の制裁措置により外国産の舶用機器の調達等が困難になる等のサプライチェーンの混乱に伴ったデザインの変更、輸出市場の変化によるプロジェクトの遅れが指摘されているが、シェスタコフは、修正されるスケジュールにおいて2027年までに、全ての船主に新造漁船の引き渡しが行われることになるとプーチンに述べた。

昨年2023年、漁業・水産加工業の総売上高は史上初めて1兆ルーブルを超え、水棲生物資源利用税の上昇もあり、税収が大きく増加、この80%が地域予算に送られ、沿岸地域の発展に貢献していることが指摘された。

このほか、シェスタコフは科学研究機関による産業支援、人材教育等の重要性について説明を行った。

 

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日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(3月29日) リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-04-09 09:41:31 | 日記

2024年04月09日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(3月29日)]

韓国漁船による自国EEZでの2023年度漁期(管理期間2023年7月-2024年6月)の2023年7月1日から2024年3月29日までのスルメイカのTAC管理漁獲量は1万7,420トンで、前年度同期比68%、TAC設定7万9,000トン(実証試験枠を除く)に対する開発率は22%にとどまっている。

主要漁業沖合イカ釣りの漁獲量は報告日までに2,570トン、前年度同期比37%、TAC開発率は11%にとどまっている。

2020年度漁期から近海網漁船(小規模漁業)にもイカのTAC管理が導入されている。

これまで、近海網漁船の操業規制に関する情報がなく、海域利用の実態が不明だったが、専門家の情報により、主漁場が西岸沖合であることが分かった

近海網漁業は、2023年度漁期開始から報告日までに、前年度同期を9%上回る4,360トンを生産、主要漁業沖合イカ釣りの1.7倍で、西海トロールに次いで韓国近海イカ漁業を牽引する存在となっている。

2023年度漁期から西南海区中型トロールのTAC実証試験が開始されており、報告日までに1,580トンを生産している。

これを正式TAC管理漁業種と合算すると生産量は1万9,000トンで、前年度同期比74%となる。

大型トロール、西海トロール、そして西南海区中型トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域で約1万1,620トン、さらに近海網が4,360トンを報告日までに漁獲しており、現在、韓国スルメイカ漁業の実に8割以上の生産を西岸沖合漁場が占める実績を示しており、日本の資源評価において、この動向を論議の対象外としてきたことは、大きな問題点として指摘されるところとなる。

日本の科学研究機関は2023年度のスルメイカの資源評価のための情報として、遂に韓国西海での漁獲量を除外してしまった。

日本の科学研究機関は韓国のスルメイカの月別漁獲量を4月-10月が秋季発生群、12月-3月を冬季発生群、11月を半々と分類していた。

日本の科学研究機関によると、韓国西海での漁獲量を2022年漁期まで1%未満-20%と推定していた。

しかし、韓国管理機関の情報をもとにすると、2017年漁期から2023年漁期までの間、西海での漁獲量のシェアは38.2%-84.1%で推移している。

韓国西海での漁獲量を除外した理由について、秋季発生系群と冬季発生系群の親魚量算定の時のアンバランスの発生等が考えられるが、日本の科学研究機関からは、明確な説明はなく、“考慮回避”とうかがえる状態となっている。

*日本の自国EEZの2022年度-2024年度のTACは、漁獲シェアが高かった2007年当時のデータを参照し生物学的許容漁獲量(ABC)中60%を日本1国で獲れるとの前提で算定した値として、7万9,200トンが設定されているが、最終年度となる2024年度については、この間の資源悪化と、その対応としてのリスク低減を理由に、当初配分を2万9,000トン、残る5万200トンを国が留保することとなった。

 

 

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日本科学研究機関によるスルメイカ韓国西海(黄海)の漁獲情報除外の不具合はさらに悪化

2024-04-05 20:33:32 | 日記

日本科学研究機関によるスルメイカ韓国西海(黄海)の漁獲情報除外の不具合はさらに悪化

2024年04月04日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[日本科学研究機関によるスルメイカ韓国西海(黄海)の漁獲情報除外の不具合はさらに悪化する]

日本の科学研究機関によるスルメイカ韓国西海(黄海)の漁獲情報除外の不具合が、さらに重たい問題としてとらえられる情報に今回接した。

2020年度漁期枠後半から近海網(근해자망)にもTAC管理が導入されており、当該漁業の漁場規制に関する情報を持ち合わせていなかったため、報告担当者(原口聖二)は、この漁獲量を東海(日本海)に仮振り分けしていたが、今般、WEBにアップされた九州大学応用力学研究所大気海洋環境研究センターの山口忠則様の韓国出張現地リポートhttps://ika-otoko.net/ により、当該漁業の主漁場が西海(黄海)であることが分かった。

スルメイカの韓国漁獲の半島東西沿岸沖合のバランスはより西海(黄海)に大きく寄ったことになる。

日本の科学研究機関は2023年度のスルメイカの資源評価のための情報として、韓国黄海(西海)での漁獲量を除外してしまった。

日本の科学研究機関は韓国のスルメイカの月別漁獲量を4月-10月が秋季発生群、12月-3月を冬季発生群、11月を半々と分類していた。

 

 

日本の科学研究機関によると、黄海(西海)での漁獲量を、2022年漁期まで1%未満-20%と推定していた。

しかし、韓国管理機関の情報をもとにすると、東経128度以西に操業海域が限定されている大型トロール、西海トロール、そして西南海区中型トロールの2017年漁期から2022年漁期までの間、黄海(西海)での漁獲量のシェアは34.9%-53.8%で推移していたが、これに近海網(근해자망)を加算すると、4割から実に8割に達する。

 

 

韓国西海での漁獲量を除外した理由について、秋季発生系群と冬季発生系群の親魚量算定の時のアンバランスの発生等が考えられるが、日本の科学研究機関からは、明確な説明はなく、“考慮回避”状態とうかがえる状態となっている。

 

 

2018年、西海トロール(二艘引き)試験枠が新設され、翌2019年実績枠となった。

2021年、2020年度漁期枠後半から近海網にTAC規制が導入された。

2023年、西海海区中型トロール(二艘引き)に2,075トンの試験枠が新設された。

次は、九州大学応用力学研究所大気海洋環境研究センターの山口忠則様の韓国出張現地リポートhttps://ika-otoko.net/ となる。

 

九州大学応用力学研究所大気海洋環境研究センターの山口忠則様の韓国出張現地リポート 

https://ika-otoko.net/

2024年4月3日  最終更新日時 :2024年4月3日 ika-otoko

2024年4月1日に釜山にある国立水産科学院(National Institute of Fisheries Science)を訪問しました。ここは日本の水産研究所にあたる機関です。海洋学の研究セミナーに参加したところ、たまたま水産資源の担当をしているキム博士とお話しする機会があったので、黄海で漁獲されるスルメイカについて教えてもらいました。キム博士は、国立釜慶大学校(Pukyong National University)在学中に対馬海峡の韓国海域でスルメイカのふ化について調査・研究(Kim et al. 2014)をおこない、長崎大学との共同研究で日本海域でも調査したことがあるとのことでした。2018年から小規模ながら韓国海域における稚イカの分布調査を再開し、まだ若いですが、韓国では今いちばんスルメイカについて詳しい方だと思います。

キム博士によると、黄海と日本海側のスルメイカの公式な漁獲量はほぼ半々の状態になっているそうです。黄海でのイカ漁業の主体は釣りではなく、近海網とよばれる流し刺網漁業とのこと。これは、以前自身がブログで紹介した漁業者情報を裏づけるものでした。「5年くらい前に刺網の目合いを調整したところ、ちょうどイカが刺さる目合いを発見した」という話は正直半信半疑でしたが、本当だったのです。近海網は2020年度後の漁期枠後半からTAC(Total allowable catch)規制の対象になり漁獲可能量の上限が定められています。また、漁場は黄海と対馬海峡の海域に限られ、4月と5月は禁漁(もっとも漁獲はほとんど7~10月ですが)、網を水深15m以下に設定することも禁止。スルメイカの漁獲量総量が減少しているなか、黄海で漁獲されるスルメイカを守るために韓国も相応に努力しているようでした。しかし、黄海は韓国だけでなく、中国にもスルメイカの漁獲可能な海域があります。両国の境は南北帯状の入会い海域になっていますが、近海網漁業者はそこまでは出漁せず、せいぜい東経125度付近までが漁場。しかし、釣りとは違って、昼間に操業する網漁業であるため、人工衛星夜間画像では確認できないとのことでした。

翌日はほぼ10年ぶりにチャガルチ市場に行って、スルメイカを探してみました。しかし、韓国産はごく僅かで、中国産や南米産がほとんどでした。南米産はもちろんスルメイカではありませんが、中国産がスルメイカかどうかも遺伝子鑑定しなければ分かりません。

中国産の「スルメイカ」

自身が昨年9月に韓国の日本海側にある江陵(カンヌン)市でスルメイカのサンプリングをしたことは以前ブログで紹介しましたが、実は鮮魚店で台湾から輸入したという「スルメイカ」が売られていたのです。日本海で漁獲されるスルメイカがあまりにも少ないため、やむなく緊急で輸入したとのこと。たしかに台湾でもたまにスルメイカが獲れることがあります。実際に自身も昨年の3月に基隆市で30個体程度のケンサキイカをランダムにサンプリングしたとき、1個体だけ混じっているのを発見しました。その時自身は自分はなんて幸運なんだ!と喜んだのですが、そもそも私はそれほど善行を積んだ人間ではありません(単なるイカ男です)。ひょっとしたら、これが当たり前の確率だったのか?または、スルメイカはもっと多く混じってもおかしくないほどいたのか(つまり不運だった!)?

 いずれにしても、今回見かけた中国産イカも併せて、もはや国内産だけではとうてい需要をまかなえない状況です。市場に出回っている「スルメイカ」はどこまでスルメイカなのか、研究者も無関心ではいられないとおもいます。

 Jung Jin Kim et al.  (2014)  Seasonal Characteristics of Todarodes pacificus Paralarval Distribution in the Northern East China Sea. Kor J Fish Aquat Sci 47(1), 059-071

 

 

 

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ロシア農業大臣 商業養殖サーモン スモルトの国産増加支援 速やかな規制枠組みの準備完了を指示

2024-04-05 15:25:04 | 日記

 

2024年04月05日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア農業大臣 商業養殖サーモン スモルトの国産増加支援 速やかな規制枠組みの準備完了を指示]

ロシア農業大臣パトルシェフは、農業省、関係政府機関、地方行政、業界の代表者らの参加を受け、ロシア漁業庁が開催した同庁代表者拡大会議で、サーモンの商業養殖におけるスモルト生産、調達にかかる国内企業支援のための規制枠組みの準備を速やかに完了するように指示した。

昨年2023年、ロシアの商業養殖漁業生産量は40万2,000トンとなり、前年2023年を4.8%上回った。

主な製品は、サケマス(タイセイヨウサケ・トラウト等)とコイで、加えて、チョウザメ、ホタテ、イガイ(ムール)、ウニ、カキ等が生産された。

この内、魚類養殖は北西部地方がこれを牽引し14万トンを占め、南部地方が8万7,000トンで続いている。

また、極東地方の養殖漁業生産量は8万4,000トンで26%の増加を示した。

パトルシェフは、特に輸入製品代替、国産化向上の重要性を強調、現在、すでに15の地域に飼料生産施設が建設されており、2030年までに年間25万トンの国産飼料生産が見積もられ、国内サーモン養殖に十分な供給量に達する計画だと語り、一方、国産スモルト生産量の増加の必要性を指摘、可能な支援策を決定しており、農業省と漁業庁に必要な規制枠組みの準備を速やかに完了するよう指示した。

 

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