ゾウの幸せを考える週末
4月21日(日)
今日は北九州市の到津の森公園で「ゆめある動物園プロジェクト ゾウの幸せな暮らしを考える」が行われると言うことで、試しに参加してみることとします。
ええっ、今日も単独です。
到津の森公園のゾウはセイロンゾウ(=スリランカゾウ)で、ラン(41才)、サリー(42才)と2頭とも雌です。
展示場は狭いとは言いませんが、決して広くはないのです。
一説には2頭は仲が悪いとのことですが今のところ上手くやってるみたいです。
今回のイベントは募集人数8名です。
コアな動物園クラスタが集まりそうなイベントに、単身乗り込む恐怖がおわかり頂けるかどうか・・・
まぁ、過激なことを言うつもりはないので、おとなしく場の雰囲気になじもうと、堅く決意しての出撃です。
イベント開始は13時からなので、午前中は恒例のときわ動物園園長ガイドに参加です。
今日は(今日も?)アジアゾーンの紹介と、トカラヤギのエサやり体験です。
トカラヤギのチャバ(雌)は乳房炎を煩っており、乳がパンパンに張っています。
いっそ、搾り取ってみたい気もするのですが、刺激を与えたら逆効果とのことで、プロの治療を待ちます。
そうそう・・・
シシオザルがムフフッ・・・とのこと
もう1,2ヶ月後とのことです。
さて、時間は11時
一周見終わった後はその足で北九州に向かいます。
高速で1時間程ですが、ナビが毎度毎度、違う道を案内するので、未だ道を覚えられません。
12時10分、無事に駐車場に到着し、まずはレストランでフライドポテト&ポークフランクで昼食です。
集合場所はミナミゲートの3回会議室なので、道すがら園内の主なところを軽く見ていきます。
レッサーパンダはみな元気そうです。
ミーアキャットとシマウマとキリンと・・・
ライオンは絶妙な隠れ方です。
フクロテナガザルは合唱の時間
そうこうしている間に集合時間8分前に集合場所に到着です。
今日のメニューは
1 ゾウの生態について座学
2 ゾウのエサを採りに南門外へ
3 夕食の準備
4 ゾウのバックヤードツアー
5 ゾウの幸せな暮らしについて(ブレインストーミング法)による協議
6 発表
です!!
座学については基本的な知識ですので、割愛します。
次ぎにエサを採りに行きます。
北門を出た道沿いで細い笹を鎌で刈り取り、エサにします。
今日はテレビの密着取材も入っています。
名前の知らない(多分北九州では有名な方)が一緒に頑張っています。
結構、採ったかな、と思われた笹ですが、担当職員さん曰く「(ゾウにとっては)3口ですね」とのこと。
ゾウの飼育は大変だと、痛感します。
採った笹は夕食にします。
乾草やペレットやら、雑木やら・・・
自分たちが採った竹の何十倍ものエサが準備されます。
いよいよ、アノ大きな体を支えるのは大変なんだなと・・・
バックヤードにはサリーさんが待機しており、参加者の方がお土産に持参したスイカを踏み割り、食べています。
それをうらやましそうに見つめるランさん
あとでモメなければいいんですが。
会議室に戻り、いよいよ考える時間です。
8人を2班に分け、各自が思いついた事をポストイットに書き模造紙に貼り付けて行きます。
「ブレイン・ストーミング法(=BS法)」ってヤツですね
テーマは
「あるところに、ゾウが幸せに暮らす、動物園があります。
そこには、何がありますか?」
では思いつくことを書いて行きましょう。
※ここからはかなり私見が入ります。
まず思いついたのは「水場(プール)」
水場で遊ぶゾウが凄く楽しそうな風景が目に浮かびます。
次ぎに「泥場」
ゾウにとって砂遊びというか泥は体にかけて日よけにしたり寄生虫対策にしたり、かなり重要なんですが、それすらできないのは「どおなのか?」と感じています。
さらに「日よけになる大木」があったら文句有りません。
さらには下地は「草が生えた草原」であったら、こんなに絵になる風景はありません。
また暑い夏などに降雨代わりの「シャワー」があれば便利かも・・・
あと、アジアゾウなら森林の中で生活しているでしょうから、自然のジャングルの「臭い」とか「音」とかあれば雰囲気が出るかも知れません。
他の参加者は放飼場の面積を気にしています。
確かに広い放飼場はゾウが動き回れていいかと思います。
しかし、ゾウは1日に15km~30km歩くと言われています。
そんなゾウの行動範囲を考えれば、200㎡も20,000㎡も「狭い」のです。
広く見えるのは「人間の都合」のみ
よく「関東地域の某園」のゾウ舎の狭さを叩いてる人を見ますが、所詮「人のエゴ」にしか見えないのは、私だけでしょうか?
(そもそも、そんなネットで叩いてる様な奴等の要望など、俺が園の人間だったら絶対に信用しないんですがね)
そんな感じで、放飼場の面積については、俺から意見しませんでしたが、他の3名の方が意見を出したので、すべからく採用です。
あと、「人の寛容な心」や「お客様からのストレスが少ない環境」とか「象牙等を密猟しない人間の心」とか・・・
なにか「ほんわか」としたものがゾウの幸せに繋がるといいなと感じます。
実際のところ、現在ではゾウを新たに導入しようとすると、少なくとも雄1頭、雌3頭の群れでなくては搬出すらできません。
ましてやそれを支える寝室とか水場などの施設がないとお話にならないのです。
そんな中、我々が考える「ゾウの幸せ」は基本の「き」なのかも知れません。
最後に飼育員さんが「皆さんの考える幸せなゾウの暮らしに答えられないようなら、ゾウを飼うべきではないのかも知れない」的なことを話されたのですが、俺は今の予算と施設を最大限活用し、今いる2頭を最後まで飼うことが動物園の使命なのでは無いかと、感じています。
まぁ、何というか・・・
ゾウの展示場として比較的恵まれている到津が、ゾウの幸せを考える。
その意義を考えると「動物園に行けばそこにはゾウがいる」という時代が過ぎたのかも・・・
と考える時期かもしれませんね。
色々と勉強になった週末でした。
4月21日(日)
今日は北九州市の到津の森公園で「ゆめある動物園プロジェクト ゾウの幸せな暮らしを考える」が行われると言うことで、試しに参加してみることとします。
ええっ、今日も単独です。
到津の森公園のゾウはセイロンゾウ(=スリランカゾウ)で、ラン(41才)、サリー(42才)と2頭とも雌です。
展示場は狭いとは言いませんが、決して広くはないのです。
一説には2頭は仲が悪いとのことですが今のところ上手くやってるみたいです。
今回のイベントは募集人数8名です。
コアな動物園クラスタが集まりそうなイベントに、単身乗り込む恐怖がおわかり頂けるかどうか・・・
まぁ、過激なことを言うつもりはないので、おとなしく場の雰囲気になじもうと、堅く決意しての出撃です。
イベント開始は13時からなので、午前中は恒例のときわ動物園園長ガイドに参加です。
今日は(今日も?)アジアゾーンの紹介と、トカラヤギのエサやり体験です。
トカラヤギのチャバ(雌)は乳房炎を煩っており、乳がパンパンに張っています。
いっそ、搾り取ってみたい気もするのですが、刺激を与えたら逆効果とのことで、プロの治療を待ちます。
そうそう・・・
シシオザルがムフフッ・・・とのこと
もう1,2ヶ月後とのことです。
さて、時間は11時
一周見終わった後はその足で北九州に向かいます。
高速で1時間程ですが、ナビが毎度毎度、違う道を案内するので、未だ道を覚えられません。
12時10分、無事に駐車場に到着し、まずはレストランでフライドポテト&ポークフランクで昼食です。
集合場所はミナミゲートの3回会議室なので、道すがら園内の主なところを軽く見ていきます。
レッサーパンダはみな元気そうです。
ミーアキャットとシマウマとキリンと・・・
ライオンは絶妙な隠れ方です。
フクロテナガザルは合唱の時間
そうこうしている間に集合時間8分前に集合場所に到着です。
今日のメニューは
1 ゾウの生態について座学
2 ゾウのエサを採りに南門外へ
3 夕食の準備
4 ゾウのバックヤードツアー
5 ゾウの幸せな暮らしについて(ブレインストーミング法)による協議
6 発表
です!!
座学については基本的な知識ですので、割愛します。
次ぎにエサを採りに行きます。
北門を出た道沿いで細い笹を鎌で刈り取り、エサにします。
今日はテレビの密着取材も入っています。
名前の知らない(多分北九州では有名な方)が一緒に頑張っています。
結構、採ったかな、と思われた笹ですが、担当職員さん曰く「(ゾウにとっては)3口ですね」とのこと。
ゾウの飼育は大変だと、痛感します。
採った笹は夕食にします。
乾草やペレットやら、雑木やら・・・
自分たちが採った竹の何十倍ものエサが準備されます。
いよいよ、アノ大きな体を支えるのは大変なんだなと・・・
バックヤードにはサリーさんが待機しており、参加者の方がお土産に持参したスイカを踏み割り、食べています。
それをうらやましそうに見つめるランさん
あとでモメなければいいんですが。
会議室に戻り、いよいよ考える時間です。
8人を2班に分け、各自が思いついた事をポストイットに書き模造紙に貼り付けて行きます。
「ブレイン・ストーミング法(=BS法)」ってヤツですね
テーマは
「あるところに、ゾウが幸せに暮らす、動物園があります。
そこには、何がありますか?」
では思いつくことを書いて行きましょう。
※ここからはかなり私見が入ります。
まず思いついたのは「水場(プール)」
水場で遊ぶゾウが凄く楽しそうな風景が目に浮かびます。
次ぎに「泥場」
ゾウにとって砂遊びというか泥は体にかけて日よけにしたり寄生虫対策にしたり、かなり重要なんですが、それすらできないのは「どおなのか?」と感じています。
さらに「日よけになる大木」があったら文句有りません。
さらには下地は「草が生えた草原」であったら、こんなに絵になる風景はありません。
また暑い夏などに降雨代わりの「シャワー」があれば便利かも・・・
あと、アジアゾウなら森林の中で生活しているでしょうから、自然のジャングルの「臭い」とか「音」とかあれば雰囲気が出るかも知れません。
他の参加者は放飼場の面積を気にしています。
確かに広い放飼場はゾウが動き回れていいかと思います。
しかし、ゾウは1日に15km~30km歩くと言われています。
そんなゾウの行動範囲を考えれば、200㎡も20,000㎡も「狭い」のです。
広く見えるのは「人間の都合」のみ
よく「関東地域の某園」のゾウ舎の狭さを叩いてる人を見ますが、所詮「人のエゴ」にしか見えないのは、私だけでしょうか?
(そもそも、そんなネットで叩いてる様な奴等の要望など、俺が園の人間だったら絶対に信用しないんですがね)
そんな感じで、放飼場の面積については、俺から意見しませんでしたが、他の3名の方が意見を出したので、すべからく採用です。
あと、「人の寛容な心」や「お客様からのストレスが少ない環境」とか「象牙等を密猟しない人間の心」とか・・・
なにか「ほんわか」としたものがゾウの幸せに繋がるといいなと感じます。
実際のところ、現在ではゾウを新たに導入しようとすると、少なくとも雄1頭、雌3頭の群れでなくては搬出すらできません。
ましてやそれを支える寝室とか水場などの施設がないとお話にならないのです。
そんな中、我々が考える「ゾウの幸せ」は基本の「き」なのかも知れません。
最後に飼育員さんが「皆さんの考える幸せなゾウの暮らしに答えられないようなら、ゾウを飼うべきではないのかも知れない」的なことを話されたのですが、俺は今の予算と施設を最大限活用し、今いる2頭を最後まで飼うことが動物園の使命なのでは無いかと、感じています。
まぁ、何というか・・・
ゾウの展示場として比較的恵まれている到津が、ゾウの幸せを考える。
その意義を考えると「動物園に行けばそこにはゾウがいる」という時代が過ぎたのかも・・・
と考える時期かもしれませんね。
色々と勉強になった週末でした。