今朝九時半過ぎにパリ東駅に到着。そこから七区アンヴァリッド近くにあるポーランド領事館に向う。入り口の荷物検査でまず驚いた。係のおじさん、フランス語がまったく通じない。英語もダメそう。ポーランド語しかできないようだ。幸い建物から出てきた女性がフランス語もできるポーランド人女性で、その人がこちらの用件を通訳してくれて、やっと中に入れてもらえた。荷物検査も厳重で、小型スーツケースの中身もいちいち触って確認していた。ようやくそれも済んで、二階の受付窓口に上がってもよいと身振りで示す。それにしても、パリにあるポーランド領事館なのに、なんでフランス語がぜんぜんできない人を入り口に配置するのか首をかしげながら、二階に上がった。
二階の窓口で手続き中の人たちとその後ろの待合スペースで待っている人たちを見て、なるほどと思った。私たち日本人二人を除いて、確かめたわけではないが、ほぼ間違いなく、全員ポーランド人なのである。確かにシェンゲン協定国間では、長期滞在でもヴィザ申請の必要はないから、フランス人はあまりここに来る用がないのだろう。ポーランド語はさっぱりわからないが、窓口でのやり取りはすべてポーランド語であろう。発音の感じからしてスラブ系の言語だということだけはわかったが。
対応してくれた係官も決してフランス語が得意というわけではなく、つっかえつっかえ、ときどき言葉を探しながら説明してくれた。
とても感心したのは、ヴィザ発効についての柔軟な対応だった。「通常は申請から発効まで二週間かかるのが普通だが、望むなら今すぐ発効してもよい。一時間くらい待ってもらうことになるが」と言うのである。ちょっとびっくりしたが、もちろん即日発効にしてもらう。発効手数料60€。
小一時間ほど、待合スペースで椅子に腰掛けてお喋りていたら、また同じ窓口に呼び出されて、パスポートに貼り付けられたヴィザの確認を求められる。その表記に間違いのないことをこちら側が確認すると、それで手続き完了。
このヴィザ取得は当の先生にとってもずっと気にかかっていたことだったので、それがこうして思いの外簡単に済んで、私もホッとした。
昼食は、1686年開業というパリに現存する最古のカフェ・レストラン Le Procope でご馳走していただいた。