小林敏明先生をメイン講演者としてお迎えした本日のイナルコでの研究集会は、真夏のような暑さの中でしたが、いつにもまして盛会でした。先生ご自身のご講演の内容については、すでに出版された著作の内容と重なるところもあり、またご講演中に言及された新しいご研究方向は今後先生ご自身が出版されるご本の中で明らかにされていくことでしょうから、私ごときががここに下手な要約紹介をすることはいたしません。
その後の私の発表は、大ご馳走の後、誰ももう食べたがらないあらずもがなの出来の悪いデザートのようなものに過ぎず、折しもワールドカップのフランス対アルゼンチン戦と重なり、ゴールのたびごとに青空に湧き上がる大歓声が開け放たれた窓から熱せられた外気とともに会場の教室にも響いてきて、そのつど発表は妨げられ、それに、枕の話以外は、既発表内容の縮約版に過ぎず、それは拙ブログの記事でも紹介したことと重なるので、言及するまでもありません。
ただ、私としてありがたかったのは、発表後いただいたいくつかのご指摘・ご質問・ご感想がいずれも私が知らなかったことや曖昧にしかとらえていなかったことを教示してくださる貴重なものだったことです。この場を借りて、それらの方々に改めて御礼申し上げます。
それよりも、今回の研究集会への参加で、何人かの方と何年ぶりかで再会でき、新しく面識を得ることができた方も幾人かいらっしゃり、それはいずれも嬉しくありがたいことでした。
さらに、これは直接私のことではないのですが、今回ストラスブールからご一緒にパリに「上京」した先生と研究集会の参加者たちとの間で、おしゃべりしているうちに、ちょっと思いもかけないような接点が次から次へと明らかになって、それはその場に居合わせた私にとっても驚きの連続で、月並みな言い方ですが、人の縁の不思議を思わざるを得ませんでした。
あるはっきりと限定されたテーマにそって開催された集会に、それに直接関心がある或いは関与しているという条件の下に参加すれば、そこに来る人たちは多かれ少なかれ共通点をもっているわけですから、そこでの出会いも比較的想定内に収まるような繋がりにとどまることが多いででしょう。
ところが、今回は、およそそういうことが想定しにくいような条件下で明らかになった種々の繋がりでしたから、やはりこういうことがあると、何か「もっている」方というのはいらっしゃるものなのだなあとちょっと感動いたしました。
最後におまけ(いらん、とか言わないでくださいね)。今日の集会後、私としてはそれこそまったく思いもよらないことだったのですが、この拙ブログを読んでくださっている方が参加者の中にお二方いらっしゃっることがわかったことです。根が単純ですから、そのまま申し上げますが、とても嬉しかった。
読んでくださっている方々には感謝のほかありません。ただ、あまり読み手の方々を意識しすぎると、わざとらしいぎこちない内容になってしまいかねませんので、これまで通り、肩の力を抜いて、「面白い」あるいは「おかしい」記事を書くべく、日々適当にかつそれなりに時間の許す範囲内で精進してまいりますので、今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。