冬の嵐が去った後、飛騨の山間部は雪に変わった。朝早くから、ユキが庭を駆け回っている様子が伝わってくる。やがて戸を叩いたり吠えたりして、散歩を促している。朝寝をしたかったが、いつも早起きのユキに急かされて、渋々起きている。
つい先日まで紅葉がきれいだった裏山は、すっかり雪化粧で変身していた。
ただでさえ人の気配がしない集落の朝は、雪に覆われると、音も色も無い墨絵の世界に変わっていく。
野鳥の食べ残した柿が、灰色の世界にわずかな彩を添えていた。
ユキも処女雪の感触を楽しみ、朝の散歩を終えた。
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