3日続きの好天も今日で終わり、飛騨地方の天気は下り坂に向かっている。
朝のうちは薄日が差していたが、少しずつ雲が厚くなっていく。
昨日までは朝は冷え込みが強く、台所の温度計はマイナス5℃ほどだったので、外気温はマイナス10度を超えていただろう。
家の脇を流れる水路も凍結して、終日解けることはない。
毎年流水が凍るようになると、寒さがピークに達したことを実感する。
そんな中でも、渓谷沿いの猫柳が殻を破って僅かばかり綿毛を覗かせていた。
春には程遠い毎日であるが、温かそうな綿毛を見ると心が和む。
日当たりの良い場所の雪が固く締まって、部分的ではあるが雪面を歩けるようになった。
これから日照時間が長くなり、日差しも強くなると表面の雪が解け、夜間の冷え込みで再び凍結するので、歩ける範囲が広がっていく。
2月の半ばを過ぎると、雪面が固く締まって野山を自由に歩けるようになる。
飛騨の人たちはこれを「かってこ」と云って、薪の伐り出しや炭の運搬に精を出したという。
飛騨の春は遠いと知りながら、わずかな兆しを手繰り寄せながら歩いている。