千光寺本堂
高山市丹生川町の飛騨千光寺へ行ってきた。
千光寺への参道
1600年前、飛騨の豪族両面宿儺によって開山されたと言う伝説の寺であるが、戦国時代に武田信玄の飛騨攻めにより、一山19の院坊、伽藍がことごとく焼き払われた。
後に飛騨領主、金森長近が再建したのが現在の堂宇で、いまは高野山真言宗の密教寺院で、山岳仏教修行の古風を現代に伝えている。
3月まで冬季休館中
江戸中期には、諸国行脚をしていた円空が逗留して、多くの円空仏を残し、「円空仏寺宝館」には、六十三体の円空仏と寺宝の一部が展示されている。
愛宕堂
寺のある袈裟山一帯に、本堂や仁王門、大慈門、愛宕堂、弁天堂等が点在しているが、これらの建物だけではなく、この山全体が古くから信仰の対象とされていた。
そのため、この山のエネルギーや空気、森林の生命力自体を感じることが大切だと言われている。
本堂を取り囲むように、四国八十八ヶ所霊場巡りの代参コースがある。
今日は思うことがあって、八十八ヶ所のうち37ヶ所を巡ってきた。
全コース3時間ほどの行程であるが、深い雪に阻まれて半分も回れなかった。
白衣に金剛杖、脚絆ならぬ、輪かんじきとスパッツにトレッキングポールの巡礼はおかしいだろうが、この時期に山中で出会う人はいなかった。
袈裟山頂の瞑想堂
凍える山中に身を置きながら、漂泊の仏師円空や山岳密教の修験僧に思いをはせながら、雪の袈裟山を歩いてきた。