名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

「飛騨の御岳さん」その2

2012年07月29日 | セカンドルーム

 

御岳での2日目の朝は、4時半に起きてご来光を拝みに行った。
5時少し前に、中央アルプスや南アルプスの黒いシルエットの向こうから、東の空を赤く染めて太陽が昇ってきた。


思わず手を合わせたくなるような一瞬のドラマを、昨夜と今朝の2度も味わえた幸せを噛みしめながら目を北に転じると、雲海の上に乗鞍岳と槍・穂高連峰が浮かんでいた。

赤く染まった山肌の上に、これから目指す剣が峰が黒い影を落としている。


5時30分にストーブが赤々と燃えて暖かい部屋で朝食を取り、6時に小屋をスタートした。


小屋の前から見下ろす木曽谷や信州方面は、雲海の下で眠っている。


溶岩砂礫の急坂を上りきると、剣が峰頂上の奥社へ続く立派な階段が待っている。


標高3.067mの三角点で、記念の写真を1枚撮ってもらった。
ここからの眺望はすばらしく、東に中央アルプス・八ヶ岳・南アルプス、西に白山や飛騨の山々、南に恵那山や濃尾平野、北に乗鞍岳・槍穂高連峰と360度の大パノラマが堪能できた。


特に富士山は夏山シーズンで10日ほどしか見る機会がないと言われているが、幸運にも両脇に八ヶ岳と南アルプス従え、前衛の中央アルプスの間から顔を出してくれた。

山頂直下の一の池は、火山壁の崩落で水が流出し、僅かに雪渓から溶けた水が湖底を潤している程度だ。


四の池も同じ現象で、幾筋かの流れはあるが池の感じはしない。


剣が峰を後に、外輪の尾根伝いに行く「お鉢巡り」へ向かった。


このコースには御岳教の信者によって、不動明王の従者といわれる三十六童子の石碑が36基建てられている。


溶岩が奇怪な姿で露出している地獄谷からは、白い噴煙が上がり、活火山であることがよく判る。


迷いやすい場所にはマーキングがあり、岩を落とさないように慎重に登っていく。


後を振り返るごとに、剣が峰が少しずつ遠ざかっていく。


下方に見える二の池新館へ下って、お鉢巡りは無事ゴールした。


再び荒涼とした賽の河原を横切り、摩利支天山(2.959m)へ向かう。


賽の河原の末端の尾根を登りきると、山頂への分岐点となる摩利支天乗越に出る。
ここから北方に伸びる痩せ尾根をたどって前方のピークを目指す。

頂上は大小の岩石が積み重なった小さなスペースだが、眺望を遮るものはなく雄大な景色が楽しめる。
後方には、賑やかだった剣が峰が聳えている。
御岳北部の山域はとても静かで、喧騒の剣が峰が信じられないような静寂の中で、景色も頂上も独り占めして楽しんだ。
再び分岐点まで戻り、五の池を目指して下っていく。


前方のなだらかな山が継子岳で、その山腹を横切って麓の濁河温泉への登山道が見える。

小屋で一息入れて、遥か眼下の温泉を目指してハードコースに取り付いた。


予定通り午後3時に荒れてうらぶれた感じの里宮にゴールし、無事下山の報告をした。


独特の濁りのある山奥の秘湯で疲れと汗を流して、2日間の山旅を締めくくった。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする