数日ほど前から、我が家に捨て猫が棲みついている。
生ごみの袋が破られていたり、床下で猫の鳴き声が聞こえたので、近所の飼い猫が遠征をしてきたのかと思っていたら、土間で痩せ細った子猫を見つけた。
あまりにも哀れな姿だったので、ドッグフードを与えたら夢中でむさぼり食べていた。
そこへもう一匹の子猫が床下から現れ、仲良く食べ始めたので、初めて二匹であることが分かった。
最初に見たときは痩せ衰えて怯えていたが、3日ほど居候をしている間に元気を取り戻したようで、動きも敏捷になってきた。
集落の猫は避妊去勢手術をしているので、町の誰かが捨てていったのだろう。
以前も散歩の道すがらで、離乳期前の子猫3匹が布を敷いた段ボール箱に入れて捨てられていた。
帰り道で見たときには、猫の姿はすでに消えていた。
捨てた人は保健所へ持っていけば殺されることが解っていて、人里離れた草むらへ置いていったのだろう。
ここには猛禽類やキツネなどの肉食獣がいるので、子猫が生き残る可能性は極めて少ない。
今回の捨て猫は離乳後間もない子猫だが、我が家には飼い犬がいるし留守にすることも多いので、今の環境で子猫二匹の世話をすることは出来ない。
近所で里親を探しているが、今のところ飼ってくれる人は出てこない。
我が家で飼うことが出来ないのに餌を与えるのは、捨て猫にとって良いか悪いか判断に迷うところだが、身の振り方が決まるまでは見殺しには出来ない。
捨てた人は、よもやゴミを捨てるように小さな命を捨てたとは思いたくないが、保健所で処分を頼むか、捨てるかの究極の選択を迫られる前に、飼い主としての義務と責任を果たすべきだ。
幸い古家は、猫ほどの大きさなら家に出入りは自由に出来るので、しばらくは床下でも土間でも自由に使わせようと思っている。
今後里親が見つからなくても、ここで自立できるように最小限の餌を与えるだけにしている。
家には鼠も蛇もいるし、外にはモグラやカエル、イモリや昆虫などもいくらでもいるので、本来の狩猟本能で空腹は満たせるだろう。 バッタを捕まえて食べているところを見たので、そのうちに狩りの腕も上がれば飢えることもなくなる。
ここならペットでなく猫らしい生き方が出来ると思っているが、猫の気持ちを聞く訳にもいかないので、正しい対応かどうかは自信がもてない。
その間に、可愛らしい子猫の里親が現れることを切に願っている。
野良猫が古家に棲みついた