今日も陽射しはないが、蒸し暑い一日だった。
雨は降らなかったが、何となく梅雨時を思わせる空模様だ。
↑荒子観音寺仁王像
いつも会う仲間五人で昼食をとり、その内の一人が
制作したドキュメンタリー「円空の旅」を鑑賞した。
↑飛騨千光寺庫裏
放浪の生涯を、ゆかりの寺社を訪ねながら、円空の生き様を浮き彫りにしていく。
30数年前の作品であるが、当時は埋もれていた円空が、ようやく世間の耳目に広く触れ始めた頃であった。
円空仏を前に研究者や所蔵する寺の住職のインタビューは、初めて耳にする話や、
それが定説になっている話もあり興味深い。
諸国を行脚して12万体の仏像を残した円空は、長良川河畔に穴を掘り、五穀を絶って入定したと言われる。
この説を研究者はインタビューで否定していたが、少し根拠が薄いように思えた。
衆生救済のため、死期を悟った円空は自らの意志で即身仏になったと思いたい。
放浪の果ての入定という究極の自由を貫いた生き様と死に様は、社会システムに縛られる今の時代では望むべくもない。
全シリーズの半分ほどを見たが、恵まれた時代に生きる人間にとって、円空は一種の憧れの人との感を強くした。
久しぶりに岩崎御嶽山に登って霊神場の霊気に触れ、浅野祥雲のコンクリート像にも会ってきた。