昨日登った輝山(2.063m)は、藪が深い上に登山道も無いので、積雪期以外に登る人はいない。
知る人ぞ知る山スキーの穴場で、シーズンになると、素敵な斜面やパウダースノーを求めてやって来る。
4月の残雪期に平湯峠から登って、白銀に輝く北アルプスの眺望に感激したことを思い出して、再び訪れることにした。
4時に起きて、今回は県道乗鞍線の途中から西側の尾根に取り付いた。
送電線の保守用小道が刈り払われていたので、そこを利用してジグザグに登っていった。
程なく鉄塔に着き、ここから小道と分かれて、藪をこぎながら山頂を目指した。
広大な伐採地に広がる藪は予想外に密生し、背丈を越すほどに伸びていた。
これ以上進めないと途中であきらめて、取り付き点に戻り谷川を遡るルートを取った。
正面が目指す輝山
2時間ほどロスしてしまったが、数年前に伐採が行われたときの作業道の一部が残っていたので、そこを利用することにした。
カモシカやウサギ、キツネなどの足跡が点々と付いていたが、熊や人の足跡は見かけなかった。
しばらく登っていくと、前方に険しい崖が立ちはだかり、尾根に取り付くのは難しそうなので、飛び石伝いに対岸に渡って登ることにした。
途中で作業道と合流し、ようやく山頂に続く尾根を望む場所まで登ることが出来た。
ここから尾根までは伐採地が続き、遠くから見ると芝生のように穏やかに見えるが、密生した笹薮は手強かった。
逆目に伸びた笹を左右に掻き分け、急斜面は笹を頼りに体を引っ張り上げながら攀じ登ったが、遅々として進まない。
藪に閉ざされて周りの様子は分からないし、方角さえ見失って少々不安を感じた。
山頂までは数百メートルの所まで来たが、このペースでは日が暮れそうだ。
白山の見える尾根の途中で、これ以上は時間も体力も足りないと、撤退を決めた。
陽だまりで雪上レストランを開き、豪華なランチに舌鼓を打った。
メニューはお握りやカップ麺、魚肉ソーセージなどだが、これが平地のレストランでは味わえないくらい美味しい。
下りは迷うことも無く快調に飛ばし、無事に国道分岐点まで下ることが出来た。
下山後に入った平湯温泉の露天風呂から、山頂から見ることが出来なかった笠が岳がきれいに見えた。
道に迷って、止む無く藪漕ぎをしたことは度々あるが、予定していたルートで、深い藪に阻まれたのは始めてである。
これから2~3日続けて雪が降れば、すべての藪が雪に覆われて、スキーや登山も出来るようになるだろう。
今回は時期が少し早過ぎて、山頂を極めることは出来なかったが、小春日和の輝山を十分に楽しむことが出来た。