朝方は薄日が差していたが、程なく雲も厚くなって相変わらずの梅雨空となった。
雨が降る前に、今シーズン2度目の庭の草刈をした。
深く刈ると小石を弾くし、浅く刈ると草の勢いが衰えずすぐに伸びてくるので、足場の良いところでも難しい。
またまたカエルのネタになってしまったが、昨夜はカエルの合唱がひと際賑やかだった。
梅雨時はカエルの繁殖期で、メスを誘うオスの鳴き声や、産卵場所を巡るオス同士の鳴き合戦が繰り広げられる。
早朝に散歩をしていたら、家の前の畦には白い卵塊が点々と産み落とされていた。
先日は数個ほどしか見当たらなかったが、本格的な梅雨を迎えて繁殖活動が盛んになってきたようだ。
夜間から早朝にかけて産卵をするので、その様子を見る機会はあまり無いが、今朝はちょうど産卵中のカエルに出合った。
オスがメスの背中に乗り産卵を促すと、白い泡とともに卵が産み落とされ、オスが放射して産卵が終わる。
今朝見かけたのは、3匹のカエルが重なっている珍しいシーンだった。
左のメスがまさに産卵中で、放射中のオスに他のオスがメスと間違えてしがみ付いているのか、どさくさに紛れて連れ放射をしているのかは分からないが、こんな姿は珍しい。
恋の邪魔をするのはどこにもいるが、ライバルに寛大なのが大らかで面白い。
せっかく産み落とされた卵塊に、早くもイモリが忍び寄って貪り食べている。
カエルは食物連鎖の下位に位置するので、卵の頃はイモリに食べられ、お玉じゃくしやカエルになれば蛇や野鳥に食べられる。
そのため産み落とす卵の数が多く、田んぼの中にはお玉じゃくしがうじゃうじゃ泳いでいて絶えることはない。
水中には抱卵してお腹が膨らんだカエル夫婦が、産卵場所を探している。
お産ラッシュで、水際の草むらで良い場所は先客に占められ、産むタイミングを失してしまったようだ。
田んぼのオスに見向きもされなかったのか、メスカエルがユキの小屋にへばり付いていた。
よく見ると、近くのパイプの上にはオスが身動きもしないで止まっていた。
このオスも縄張りが持てないはぐれカエルのようで、ライバルのいないメスを追っかけてここまで来たようだ。
いつの間にやら2匹ともいなくなったので、恋の行方は分からない。
生き物の行動は、不思議がいっぱいで興味が尽きない。