毎年4月14・15日に日枝神社の例祭「山王祭」が行われる。
高山祭は、秋に行われる桜山八幡宮の「八幡祭」と共に二つの祭りの総称である。
「山王祭」は旧高山城下町の南側・上町を中心に、屋台の曳き揃えやからくり奉納、ご巡幸、夜祭など多彩な行事が繰り広げられる。
初日の今日はまずまずの祭日和に恵まれ、大勢の見物客で賑わった。
去年は桜の蕾が固かったが、今日は五分咲き程で、柳も芽吹き祭りに彩を添えていた。
「山王祭」が終わると、飛騨にも春が訪れるといわれているが、柔らかい陽射しにその兆しを感じた。
からくり奉納が行われれる陣屋前は、人込みで身動きが取れなかった。
古い町並みも観光客で賑わっていた。
屋台の曳き揃えを見物したりして、2時間ほど祭りの雰囲気を楽しんできた。
風が強くて夜祭は寒そうだし、天気も崩れそうだったので、丹生川町の恵比寿の湯で疲れを癒して帰ることにした。
今朝も昨夜降った雪が薄っすらと積もって、春の温もりはなかった。
ここ数日は、夜に雪が降って昼間に解けるという繰り返しが続いている。
毎朝雪景色を楽しめるのは悪くはないが、早く鶯のさえずりに相応しい春景色を見たい。
淡い春の雪は、強い陽射しで儚く消えるのも毎度のことだ。
ここを引き継ぐ予定の人が、婚約者を連れて訪ねて来た。
二人は某国立大学のワンゲル部仲間で、それぞれ建築と生物資源学を学んだとのことだ。
安定した仕事を捨てて、将来の夢を過疎の山里に託す決意を度々聞いているので、その志を後押ししたいと思っている。
二人とも自然派で、飛騨の山里には違和感なく溶け込んでくれそうだし、身につけた知識と経験は、過疎化が進む飛騨の人たちにも貢献できることだろう。
家の内外を案内し、裏の畑を耕してジャガイモの植え付けの準備もした。
ここで若い人の野良仕事姿を見かけることはないので、頼もしくもあり微笑ましくも感じた。
40戸ほどの集落をひと回りして、家にいた人たちとも会話が出来た。
飾り気のない人柄や、自然環境の一端を垣間見て気に入ってくれれば、引き継ぎがまた一歩前進する。
以下続く・・・(時々続きを掲載します)
昨日の雪はその日のうちにほとんど溶けていたが、昨夜降った雪でお色直しをしていた。
春の桜便りならともかく、連日の雪や氷では今の季節にそぐわないが、今日も同じネタになってしまった。
今朝は快晴で、野山は雪や氷でキラキラと輝いていた。
気温は氷点下で、散歩をしていても北風が吹きすさび、耳や指先に痛みを感じた。
ユキはそれほど寒さを感じていないようで、大きく伸びをして散歩のウォーミングアップをしている。
昨日ほどの積雪はなく、つくしも頭に雪を載せた姿を見せてくれた。
ほんのり色付いたツツジの蕾と、雪の白さが鮮やかだった。
タラの芽はまだ固く、鋭い棘が今朝の寒さを表しているようだ。
↑ねこやなぎ
つかの間の晴れ間は朝だけで、終日寒さが和らぐことはなかった。
それでも、冬のように雪景色が残ることはなく、午後には消えてなくなった。
居座った寒気も今日までのようで、明日からは春の陽気が戻ってきそうだ。
今朝起きたら、あたり一面が雪景色に変わっていた。
昨夜から降り続いた雪は今朝方に止んで、時々晴れ間も覗いたが、黒い雲が流れてくるたびに小雪が舞う寒い一日となった。
都会では桜が散り若葉の季節を迎える頃だが、山里は山も野原も綿帽子を被り、枯れ木残らず花が咲いた。
↑ 桜の木
↑ 柿の木
↑ 杉林
↑ 竹林
↑ 栗の木
雪の重みでたまに折れる枝もあるが、耐える姿はたくましくて美しい。
水仙やわさびの花、ツクシなども、すっかり雪に埋まってしまった。
ユキも久しぶりの雪に戸惑いながらも、満更でもなさそうな表情をしていた。
明日も雪の予報が出ているが、この時期に西高東低の冬型が続くのは珍しい。
雪に覆われた集落を見ていると、長い冬を迎える頃のように静まり返り、野良仕事の姿もなく華やいだ春の雰囲気はどこにもない。
昨夜は雪が降っていたが、地上には積もらず前山だけが薄化粧をしていた。
空気が冷たく、季節が1ヶ月ほど戻ったような感じだ。
水温む季節であるが、渓流の瀬音に柔らかさを感じない。
寒さに震えているのか、ウグイスの鳴き声も、心なしビブラートがかかっているように聞こえる。
蕾の固い桜の枝を折って花瓶にさしておいたら、昨日から開花が始まった。
暖房をした部屋は春の陽気で、一足早い花見が楽しめる。
つくしも一斉に顔を出したが、北風に震えているような風情だ。
ここ数日は春を垣間見ながら、冬の寒さを体感している。
今朝も霜が降りる寒い朝だった。
時折のぞく太陽は、春の暖かさを届けてくれるが、陰ると冬の寒さに戻る。
ユキ(柴犬)のブラッシングをしていて、瞼にマダニが噛み付いているのを見つけた。
まだ1ミリほどの大きさのダニは、皮膚に深く食い込んでいるので、取り除くのに苦労した。
嫌がるユキを抱きかかえて、親指と人差し指の爪でつまんで、ようやく引き剥がした。
毎年春から初夏にかけてやって来る厄介者が、早くも出没する時期になった。
草むらへ入るし庭で寝そっべっているので、難なく取り付かれてしまう。
今まではあまり気にしなかったが、殺人ウイルスを媒介することを知ったので、用心しなければならない。
さっそくダニ除け薬を、背中の3ヶ所に滴下して防御した。
冬眠をしていたイモリが穴から出て動き始め、家具の裏や戸の隙間にいたカメムが、部屋でウォーミングアップをしては外へ飛んでいく。
暖かい日が続くと、青大将が玄関先で日向ぼっこをしていて肝を冷やすことがあったが、そんな日も間近だ。
春を告げるのは、花や山菜、野鳥のさえずりだけならいいのだが、歓迎せざる客も出入りする。
今朝起きたら小雪が舞い、あたりは薄っすらと雪化粧をしていた。
先週は初夏の陽気で汗ばむほどであったが、一転して氷が張り北の風が肌を刺すように冷たかった。
桜の蕾も紅色に膨らみ、間もなく開花と思っていたが、少し先に延びそうだ。
寒さに強い水仙は雪の重みには弱いようで、茎が大きくしなっていた。
すでに開いてしまった蕗のとうは、揃いの綿帽子をかぶっていた。
湧き水のほとりに自生しているワサビも、間もなく開花して花ワサビのお浸しが楽しめる。
行者にんにくは、大きな朴の葉を押し上げたり、突き破ったりして芽を出していた。
山に篭もった行者がこれを食べて精をつけたと言われるが、いかにも逞しい芽吹きだ。
春と冬のミスマッチ風景は、陽が差し始めると儚く消えていく。
おしろいが少し剥げていた乗鞍岳も、化粧直しをして青空に浮かんでいた。
飛騨の春は、冬が時々戻りながらゆっくりやって来る。
飛騨地方は低気圧の影響は少なく、雨風がいつもより激しい程度であった。
北西の風に乗って黒い雲が流れてくるごとに、強い雨が降るが長くは続かない。
谷川も多少水量を増しているが、濁りもなく上流で土砂崩れなども起きていないようだ。
夕方、雨が上がったので散歩に出かけたら、冷たい風とともに雪まで降ってきた。
数日前には春の陽気を楽しんだが、思わぬ4月の雪にも見舞われ、終日暗い日曜日となった。
昨年来、山里を引き上げて名古屋へ戻る計画を進めているが、少しずつ前に進んでいる。
田舎に定住して家具制作をしながら、農作業や山仕事もしたいという30代の若者に出会った。
若い人が人生をかけて取り組む限り、ぜひ成功して欲しいという思いから、度々会って意思の確認や今後の計画についても話し合ってきた。
夢が先行して厳しい現実に耐えられず、途中で挫折する人を何人も見ているし、ここに住みたいという人の話を聞き、地に足が着かず不安を感じることも多々あった。
自然の厳しい山里では、小さなコミュニティに溶け込む資質も大切な要素であるし、自然以外に何もない集落に都会の価値観を持ち込めば、夢がしぼみ居心地も悪くなる。
その反面、綺麗な水や澄んだ空気、豊かな自然に感謝し、人情が厚く親切な人たちとの触れ合いを大事にすれば、これほど住みやすい所はない。
昨日も会って話し合ったが、本格派の山男である彼は、夢と現実をわきまえ、将来の設計もしっかりしていた。
今後は集落の人たちが、心から歓迎してくれるように条件を整えながら、引継ぎを進めていきたい。
以下続く・・・(時々続きを掲載します)
積雪のある頃は入れなかった古い林道も、今の時期は自由に歩くことが出来る。
今朝の散歩は、荒れた林道を歩いたが、去年の落ち葉がそのまま積み重なっていた。
落ち葉を取り除くと、地面から草の芽がびっしりと出ている。
冬の間は昆虫や小動物の寝床になっていたが、間もなく腐葉土となって新しい草木を育ててくれる。
5月になると、深い藪に覆われて歩くことが出来ない。
山の中腹から見下ろすと、耕作放棄地がたくさん目に入る。
谷川の両側には開墾した田畑が何枚もあったが、次々と止めてもとの野山に戻りつつある。
農家の高齢化で止めざるを得なかったり、イノシシの被害でやる気が失せたり、町へ移住したりと理由は様々だ。
TPP以前に、山里の農業は衰退の道を辿っている。
久しぶりに裏山を見回ったら、原木から椎茸がたくさん顔を出していた。
例年に比べると少し早く出て、数も多いので、どうやら当たり年になりそうだ。
まだ10円玉ほどの大きさだが、一雨降って暖かくなれば、発生や成長をもっと促してくれるだろう。
折から低気圧が接近中で、被害が心配されるが、野山の植物には恵みの雨になりそうだ。
今朝は霜が降りて、薄着の散歩で寒さが堪えた。
一時の暖かさで油断をすると、思わぬ寒さに身震いすることがある。
野菜の植え付けも、好天に惑わされて急いでやると遅霜の被害にあうので、露地栽培は霜の心配がなくなる4月下旬ごろから始まる。
日が差し始めると気温が上がり、今日も初夏のような暖かさになった。
作業場で仕事をするよりは、外のほうが気持ちが良いので、研磨や塗装は外へ出てやっている。
鶯の鳴き声を聞きながら仕事をするのも、今春限りと思うと名残惜しくも感じる。
午後はお天気に誘われて、高山市朝日町の美女峠までドライブをしてきた。
行きは旧道を走ったが、立派な大規模農道が二本開通したので、曲がりくねって狭い道を走る車は見かけなくなった。
美女が池は早春の風情で、桜の蕾も固く芽吹きも始まっていない。
スワンボートも岸に繋がれたままで、春休みの家族連れもいなかった。
帰りは岩井町を通って丹生川町で国道158号線に合流する、飛騨農園街道を走った。
2車線の農道は、ドライブウエイのように走りやすくて景色も良い。
↑乗鞍岳
↑御岳
前方が開けたところでは、乗鞍岳や、御岳、白山などが眺望できる。
美女が池から10分ほどで岩井町に出るので、下呂温泉や濁河温泉方面への近道になっている。
晴天も今日一日、低気圧が接近中で明日からは荒れ模様になるようだ。
昨夜まで降っていた雨も上がり、暖かい陽射しが戻ってきた。
気温も高く朝の散歩は、ダウンの上着が必要なかった。
今朝は茂みから、鶯の初鳴きも耳にした。
まだ拙い鳴き方であったが、間もなく競い合って美声を聞かせてくれることだろう。
いつの間にか、渓流沿いのダンコウバイが咲いていた。
芽吹く前に黄色い小さな花をたくさん付けるので、地味な花だがよく目立つ。
南向きの山腹には、白いコブシの花もちらほら見える。
つい先日までは、雪の重みに耐えていた水仙が、一斉に咲き始めた。
去年の秋、群生地をイノシシに荒らされてしまったが、残った球根は健気に芽を出してくれた。
桜の蕾も一回り大きくなり赤みを帯びてきたので、開花も間近だ。
花粉情報は「非常に多い」と出ていて、朝夕の散歩でスギやヒノキの下を通ると、鼻がむずむずして目も痒くなる。 花を愛で、野鳥のさえずりに癒される散歩であるが、花粉のシャワーだけは勘弁してもらいたい。
急に初夏のような陽気になり、野山の草木は慌てて春の装いをしているようだ。
春の遅い飛騨地方では、1ヶ月遅れの雛祭りが今日行われる。
高山市内の旅館や商店、観光施設などに代々伝わる雛人形が飾られている。
豪華な段飾りから素朴な土雛まで、訪れた観光客を楽しませていた。
雛祭りを祝う家は年々少なくなり、観光イベントや幼稚園の行事化しているようだ。
近所でも、子供が嫁いだり町へ出てしまった家で、老夫婦だけがひっそりと雛飾りをしている光景を目にする。
土雛は岐阜や富山から来る行商人から、毎年少しずつ買い足してきたとのことだ。
お雛様に関係が無さそうな、相撲取りや兵隊さん、福助、招き猫、金太郎、七福神など色とりどりに飾られているのが面白い。
土雛の前には、お菓子やアサツキ(まだ花が無い飛騨ではアサツキを飾る風習がある)が飾られている。
当時の子供たちは、雛祭りをしている家を訪ねて、お菓子を貰うのを楽しみにしていた。
昨夜からの雨が降り続き、終日冷たい風が吹くあいにくの雛祭りとなった。
子供たちに囲まれて賑やかだった頃を思い出しながら、老夫婦が祝う雛祭りはこんな天気が似合うのかもしれない。
今日の飛騨地方は午後から雨と伝えていたが、夕方まで降ることは無かった。
気温も高めで、玄関前に残っていた雪も昼過ぎには消えていた。
庭の落ち葉や枯れ草の間からは、雑草の小さな芽がびっしりと出ている。
去年の暮れに降った雪で薪割りを中断したが、丸太の山や木屑やおが屑もそのままで再現された。
↑ 今日撮った写真
先日、名古屋へ行くときは、熊笹もススキやワラビの枯葉も雪に隠れていたが、今はすっかりあらわになっている。
雑草や雪との戦いは大変だが、木々の緑も雪もない光景は、何とも殺風景で味気が無い。
春霞のたなびく名古屋を後に高山へ向かった。
道路沿いの桜も満開で、街路樹の若葉も萌え始めている。
長良川SAで小休止したが、コブシや桜が咲き、野原にはタンポポも咲き乱れていた。
いつものように東海北陸道を、郡上八幡ICで下りせせらぎ街道に入った。
沿道の桜の蕾は少し膨らんでいるので、来週あたりは開花しそうだ。
先週通ったときは、馬瀬川の川原に雪が積もっていて近づけなかったが、今日はユキも水を飲むことが出来た。
ここも桜の名所だが、蕾はまだ固い。
せせらぎ街道を美濃から飛騨へ入ると、両側の残雪が目立つようになる。
ユキは久しぶりの雪の感触を楽しみ、ガリガリとかじっていた。
清流は雪解け水を集めて、渦を巻いて流れている。
お昼前に家に着いたが、日陰にわずかに雪が残るだけで、あたりの景色は一変していた。
野山は枯れ葉色に覆われ、スギやヒノキも褪せた緑で、1年を通して今の時期が一番冴えない風景になる。
半分以上が雪に隠れていた畑は、雪が消えて早くも雑草が芽を出し始めた。
蕗のとうもほとんど開いてしまったが、食べごろを選んで夕食の味噌汁に入れることにした。
春爛漫の名古屋から山里に戻ってきたが、桜の開花も木々の芽吹きも、もう少し先になりそうだ。