中国はトランプ米大統領が通商政策で対中強硬策を連発するのに反発、米国の「脅し」に屈するべきでないと強気の世論が支配的となっている。
高成長を長年続け、経済大国化した自信が背景にある。
現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を通じて他国との連携を深め、米国に代わって経済面で国際的な影響力を高める狙いがある。
米国は3月23日、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動。
主な標的とされた中国は報復措置として、米国から輸入する果物や豚肉など計128品目を対象に、最大25%の関税を4月2日から上乗せした。
「中国が反撃してこないか、象徴的な反撃にとどめるとの考えをワシントンが抱いているとすれば、そんな幻想とおさらばするときだ」。
中国共産党の機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は4月2日未明、米国を激しく非難する社説を報じた。
直接的な物言いで知られる楼・元財政相も3月末、米国の経済学者らを交えた討論会で「米国はかつて日本を脅して(通商交渉で)成果を上げたかもしれないが、中国には通用しない」と発言。
対中貿易赤字は中国市場の閉鎖性が原因だとする米側の主張に対し、過剰消費など米国自身が抱える構造問題こそが赤字の主因だと力説した。
政府系メディアや要人の強気の論調を受け、中国のインターネット上では「米国製品をボイコットせよ!」など、一般人の愛国的な書き込みがあふれている。
中国側の態度の変化に、米国の要人も不満を隠さない。
サマーズ元財務長官は3月、北京で開かれたフォーラムで「中国が発展途上国としてのメリットを享受しながら、大国としての力量も持とうとするのは理解しがたい」と指摘。
中国が国際的な責任を回避する際に用いる発展途上国の顔と、大国の称号を都合よく使い分ける実情を痛烈に皮肉つた。
ただ強国化路線を推し進める習指導部は、米国が保護主義色を強める状況をチャンスととらえる。
「中国の対外開放の門はより大きく開いていく」と繰り返しアピール。
市場開放や一帯一路を通じて他国に利益を与えることで、経済的な影響力拡大をもくろんでいる。
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