新型コロナウイルス感染症から回復した人の血液成分を投与する治療法の効果や安全性を確かめるため、日米欧の企業や医療機関が、国際的な臨床試験(治験)を近く始めることが7月26日、分かった。
年内の結果の取りまとめを目指す。
この治療法は、血液に病原体が含まれていないことを確認した上で赤血球などの血球を除いた液体部分「血漿」を取り出す。
血漿には回復した患者の免疫反応によってできた抗体が含まれており、濃縮して患者に投与すれば、体内のウイルスを攻撃すると期待される。
中国では、呼吸不全などの重い症状がある患者で改善がみられ、ウイルス量も減ったとの報告がある。
関係者によると、治験は、米国立衛生研究所(NIH)が主導。
世界の血液製剤メーカーや医療機関が協力する。
回復者の血液から作った薬を投与するグループと、偽薬を投与するグループに分けて、有効性や安全性を調べる。
各グループで150人程度の参加を見込んでいる。
日本からは国立国際医療研究センター、恵只品川病院などが参加。
武田薬品工業が開発している回復者の抗体を使った新薬を使う。
有効性が確認されても、回復者の血液から取り出した血漿を十分に確保するための枠組みが必要になる。
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