橋下徹氏が再選した大阪市長選の投票率は過去最低となった。
白票も投票総数の約1割を占めた。
大阪都構想推進に「民意」のお墨付きを得るという目的達成はままならず、都合よく選挙を仕掛けたことで有権者の政治への関心をむしろ遠ざけた。
政敵との対決構図に持ち込み、都構想を争点化する狙いは主要各党が候補を擁立せず不発に終わった。
これを察するや他党批判を強め、「僕を落とすチャンスを与えた」との論理を振りかざしたが、市民に響く訴えだったのか疑問だ。
橋下氏が完全に支持を失ったわけではないだろうが、多くが投票所に足を運はなかった事実は重い。
橋下氏は都構想が行き詰まった場合の打開策として再度の出直し選を示唆するが、相手をののしり、自己を正当化することより、丁寧な説明こそが求められていると気付くべきだ。
街頭演説の聴衆の一人は「あなたは批判されると『自分がやってみてください』とすぐ怒る」と橋下氏に直接、指摘していた。
府知事に初当選した2008年以来、ある時期まで大阪で人気を博した「ケンカ政治」がなお続くことに、有権者あきれかえっている。
日本維新の会の橋下共同代表には大阪市長選で再選してもなお、いばらの道が続く。
得票数は平成23年の前回選挙(75万813票)の半分に落ち込み、民意を背に大阪都構想を推し進めるのは難しくなった。
橋下氏は引き続き都構想に専念せざるを得ず、国政から距離を置くことになりそうで、維新が「低空飛行」から抜け出す展望は見えてこない。
今回の選挙で日本維新の会は墓穴を掘った。
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