離婚などで別居する親子や祖父母と孫の面会交流について、具体的な権利義務規定がないため不自由さを強いられるのは基本的人権の侵害で違憲だとして、10~70代の男女十数人が国に1人当たり10万円の損害賠償を求めて来月にも東京地裁に提訴するこ とが10月10日、分かった。
民法では、父母が協議離婚をする場合、一方を子の親権者に定めなければならず、面会交流の条件も父母が話し合って決めるとしている。
面会交流を巡る同種訴訟は他にも係争中だが、原告側によると、子ども側も原告に加わるのは今回が初。
代理人の作花弁護士は「日本は外国と比べ、子の権利は親のもののように扱われ、面会交流権は子の基本的人権であるという認識が薄い。 子の健全な成長のため国は法整備を進めるべきだ」と話している。
原告は茨城、千葉、東京、神奈川、静岡、京都の都府県などに居住。
訴状によると、親と子や、祖父母と孫の面会交流権は、幸福追求権や人格権を定めた憲法13条などで保障された基本的人権だと主張している。
その上で面会交流については、誰が誰に対して権利や義務があるのかという具体的な規定が法律で定められておらず、国会の立法不作為による法の不備だと指摘。
自由な面会交流が実現せず、容易に妨げられることもあり、精神的苦痛を受けたと訴えている。
また心理学的調査の結果、離婚後に親との面会交流がスムーズで満足度が高い子は、自己肯定感や周囲の環境への適応度などが高いとし、子の心理面に肯定的な結果をもたらすとしている。
面会交流を巡っては義務付ける制度が未整備だとして、子と会えない父母ら14人が国に計900万円の損害賠償を求め2018年に提訴。
一審東京地裁、二審東京高裁で「面会交流する権利が憲法上保障されているとはいえない」などと請求を退けられ上告している。
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