判員裁判の初公判から判決までにかかる日数「実審理期間」が昨年1年間は平均17・5日となり、制度初年だった2009年の3・7日と比べて5倍近くまで伸びたことが8月19日、最高裁のまとめで分かった。
裁判員や補充裁判員が裁判官とともに判決内容を話し合う非公開の「評議」にかかる時間は昨年平均が894分で、2009年の397分から2倍超となった。
一方、事件ごとに公開の法廷が開かれる回数は昨年平均が5・4回で、2009年の3・3回から微増。
実審理期間の伸びは裁判員らの負担を考慮して審理日程の余裕を確保し、評議に時間を使うようにした影響とみられる。
ただ、ここ数年は裁判員候補者に選ばれて辞退した人の割合が7割近くで高止まりしており、審理日程の長期化に伴って仕事や家庭の事情などを抱える多くの人が裁判員裁判に参加しにくくなっている面もありそうだ。
実審理期間は法廷が開かれない日や休日も含む。
昨年は738人の被告が裁判員裁判で判決を受け、うち実審理期間が「11日~20日」だったのが最多で264人。
「6日~10日」が233人と続いた。
40日を超えたケースも53人いた。
評議の時間は「840分超」が311人で最多だった。
裁判員候補者に選ばれながら仕事などを理由に辞退した人の割合は2009年に53・1%だったが、2017年以降は66~67%台で推移。
昨年は67・4%で過去最高だった。
市民団体「裁判員ネット」の代表を務める大城弁護士は「裁判員裁判は重大な刑事事件を扱う上、市民の考えを取り入れるためには評議を充実させる必要があり、実審理期間がある程度長くなるのは仕方ない」と指摘。
一方で「あまりに長くなると日常生活にも影響してくる。 仕事や介護、育児などの事情を抱える人たちを社会全体で支える仕組み作りが今以上に必要だ」としている。
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