フィリピンが米国に一方的に破棄を通告した「訪問軍地位協定」が、一転して存続される可能性が浮上してきた。
南シナ海進出を続ける中国の脅威が背景にあり、ロレンザーナ国防相は協定維持を希望すると発言し、両国は協議を開始した。
ロレンザーナ氏は2月11日、地元テレビ局の番組で「ドゥテルテ大統領が最終決定することだが、国防省や軍としては協定の継続を支持する」と述べた。
オースティン米国防長官との2月10日の電話会談で、協定維持の希望を伝えた可能性がある。
フィリピン外務省によると、2月11日に米比間で防衛や安全保障協力を議題にした事務レベル協議を開催。
今後、高官会合も持たれる予定で、ロクシン外相は地位協定に関する「意見の違いを解消する」意向を示している。
中国は昨年8月、南シナ海に向け弾道ミサイルを発射。
2月1日には海上警備に当たる海警局に武器使用を認める海警法を施行し、南ンナ海進出の手を緩めていない。
だが地位協定が失効すれば米軍はフィリピンで軍事演習ができなくなり、東南アジアでの影響力低下は免れない。
国防省筋によると、ドゥテルテ氏が昨年2月、協定破棄を米側に通告するよう指示した後も伝統的に親米派が多い国防省やフィリピン軍の幹部は継続の道を探っていた。
ただドゥテルテ氏は昨年12月の会議で、米国が新型コロナウイルス感染症のワクチン2千万回分を提供できなければ、地位協定を予一定通り破棄すると言及。
軍事協定をワクチン確保の交渉材料に利用しようとする独特の発想で、最終的な結論は見通せない。
ワクチンを安全保の条件に利用するなど、ドゥテルテ氏の発言はまったく理解できない。
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