スウエーデンのカロリンスカ研究所は10月3日、2022年のノーベル医学生理学賞を、DNA解析に基づく人類の進化の研究で成果を上げたドイツーマックスプランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ教授に授与すると発表した。
ペーボ氏はスウェーデン出身で、沖縄科学技術大学院大の客員教授も務めている。
授賞理由は「絶滅した人類のゲノム(全遺伝情報)と進化に関する発見」。
ペーボ氏は、約4万年前に絶滅したネアンデルタール人の骨片のゲノム解析を行い2010年、ゲノム配列を発表。
欧州やアジアに住む現代人のゲノムの1~4%がネアンデルタール人に由来し、ネアンデルタール人が現生人類と交雑していた証拠を示した。
シベリアの洞窟から出土した骨片由来のDNAからもゲノムの解読に成功。
それまで知られていなかった絶滅した人類のものと確認し「デニソワ人」と名付けた。
世界各地の現代人と比較した結果、メラネシアや東南アジアの集団でゲノムの最大6%がデニソワ人由来だったことが分かった。
ペーボ氏は研究の初期に、DNAを増幅させて調べるPCR法を使って試料を分析。
その後、大量のDNAを調べることができる「次世代シークェンサー」を利用して、ネアンデルタール人のゲノム配列を決定した。
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