来年の参院選からの「18歳選挙権」実現をにらみ、高校生の政治活動や選挙運動の在り方をまとめた文部科学省の学校現場に対する新通知案が9月14日、判明した。
校内の政治活動は原則禁止するが、校外では一定の条件の下、容認する。
主権者教育に関し、教師が個人的な主義や主張を述べるのを避けるよう求め、公正中立な立場での生徒指導を要請する。
通知見直しは46年ぶりとなる。
高校への学生運動波及を受けて1969年に文部省(当時)が出した通知は、学校の内外を問わず政治活動を禁止していた。
18歳選挙権を踏まえ、一定の緩和は必要と判断して一部解禁に踏み出す。
文科省は政府内で調整の上、近く都道府県教育委員会に示す方針だ。
1969年の通知は廃止する。
新通知案は、放課後や休日に校外で行う政治活動などについて「生徒が自主的、主体的に判断して行うもの」として容認。
生徒の学業に支障が発生するか、生徒間で政治的な対立が生じて学校教育の妨げとなる場合は、禁止も含めて適切に指導すると記述。
違法の恐れが高い場合には制限または禁止が必要とした。
生徒による公選法違反を防ぐため高校が同法の重要事項を周知する必要性も指摘した。
一方、学校に政治的中立性を求める教育基本法の規定に触れ「(高校生の政治活動などは)無制限に認められるものではなく、必要で合理的な範囲で制約を受ける」と明記。
校内では通常、授業などが行われていることを踏まえ、原則的に活動を禁じた。
公選法により教師は地位を利用した選挙運動が禁じられているとして、特定の政治的立場に立って生徒と接してはならないと強調した。
新通知案によれば、安全保障関連法案に反対する大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」のデモヘの参加も容認される。
今後、さまざまな場面で高校生が意思表明する機会が増えるだろう。
ただ、新通知案は生徒の学業や学校教育の円滑な実施に支障があると高校側が判断すれば、禁止も可能としている。
そのため賛否が鋭く対立する政治課題では、学校側が政治的中立を要求され自主規制する恐れもある。
いたずらに学校外の世論に配慮し、高校生が主体的に考える機会を奪わぬよう、学校現場には相応の覚悟が求められる。
教師の洗脳活動が絶対行われないようにすることが一番重要である。
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