中国が防空識別圏を設定後、日本政府は米国、韓国も反発している現状を踏まえ、国際社会を巻き込み「対中国包囲網」を一気に形成しようともくろむ。
一方、中国国防省は11月29日、東シナ海の防空識別圏に入った米軍機や自衛隊機に対し、中国空軍が緊急発進(スクランブル)をかけたと発表したが、詳細は明らかではなく、疑問点も多い。
中国は強硬姿勢を維持しつつ、当面は沖縄県・尖閣諸島や歴史をめぐる問題で争う
日本に照準を定めて圧力を強めることで、他国の反発を薄めたい考えだ。
11月28日の中韓国防戦略対話で識別圏の空域変更を求めた韓国に対して、中国は応じない考えを示した。
菅官房長官は11月28日の記者会見で、中韓国防戦略対話で識別圏の空域変更を求めた韓国の立場を支持する考えを表明した。
韓国の肩を持ったのは「歴史認識問題でいがみ合う日韓両国が結束し、中国に向き合う構図をつくり出す」(官邸関係者)狙いがあるためだ。
欧州連合(EU)にも働き掛けた。
杉山外務審議官は訪問先のプリュッセルでEUのアシュトン外交安全保障上級代表と意見交換し、防空識別圏問題をめぐる協力を要請。
アシュトン氏が「(識別圏は)地域の緊張を高める」と声明を出すと、岸田外相が11月29日の記者会見で「EUも懸念を表明した。 関係国としっかり協力していきたい」と呼応してみせた。
日本外務省は12月中旬に東京で開かれる日東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議をにらみ、ASEAN各国との連携強化に力を注ぐ。
「空軍は(日中の)武力衝突に備えるべきだ」(中国紙)。
「戦争は平和を守るためのやむを得ない手段」(張国防大教授)。
中国は識別圏設定に対する国際社会の反発に対し、日本に狙いを定めて勇ましい反論を繰り返している。
国防省報道官は11月28日「(尖閣国有化は)に 第2次大戦後の国際秩序を変える狙い」と日本を非難した。
背景には米韓に加え、周辺国や英国などから一斉に反発の声が上がったことへの警戒感がある。
尖閣や歴史問題で、「世界を敵に回す」を強調することことを避けたい思惑がにじむ。
民間機の飛行計画の通知も「協力依頼」にトーンを下げた。
オバマ米政権には、特に日中の衝突が現実的に起きかねないとの危険はつよい。
東シナ海の公海の広大な空域で行動を制限されれば、アジア太平洋地域に大規模な部隊を展開する米国の「国益」(米政府高官)にも直結する。
米軍機と自衛隊機へのスクランブルの措置を取ったと発表は、自国向けに発言せざるをえなっだろう。
防空識別圏設定は中国痛恨のエラー全世界を味方につけて中国をたたく絶好のチャンスでもある。
韓国の発言、動向も興味深い。
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