３カ月で辞める新入社員のタイプ

６月に入って、早くも退職する新入社員が出始めている。

しかも、どちらかというと会社側が「優秀」と採用した新人に限ってだ。

「石の上にも３年」どころか、わずか３カ月。

「５月病」ならぬ、「６月病」である。

「５月病」が、学生から社会人への脱皮する際の試練にやられることが多いのに対し、「６月病」は「本格的な会社人」への第一歩がスムーズに踏み出せない社員がかかってしまうようだ。

なぜ辛抱ができないのだろうか。

辞める新入社員には下記のタイプがある。

１つ目は、大きい目標は漠然とあるが、足元の基本スキルがまったく追いついていないタイプ。

新人のタイプの野球でたとえれば、「メジャーリーグに行きたい、でも、一見つまらない素振りの練習はしたくない」というものだ。

下積み仕事ではなく、いきなり華やかなわかりやすい仕事をしたがるが、（当たり前だが）まだそれだけの力が追いついていない。

自分にとっての意義が、腑に落ちていない。

２つ目の新人は、「優等生」タイプ。

明確にやりたいことはない。

「この仕事の意味がわからない」「これをやりたくて入ったんじゃない」という新人の不満はたまっていく。

野球の例で言えば、なぜメジャーに行きたいのか、メジャーで何がしたいのか、そのためにはどんな技術が必要なのか、そこに今の仕事がどう関連するのか、理解できない。

３つ目は「ガラスの優等生」。

学校の成績は優秀だったのだが、実は、失敗の経験がほとんどないので、「失敗したくない」「レールから外れたくない」といった心理に陥り、焦る。

すぐに横との比較をしたがる。

新人の数カ月など、実は長い社会人生活から見ればまだほんの一瞬なのだが、ちょっとした差に一喜一憂し、すぐに落ち込む。

ちょっとしたストレスを抱え込みがちで、こうした「ガラスの優等生タイプ」は打たれ弱い。

そつなく、まじめに言われたことはやるのだが、そんな人が、突然、辞めてしまう。

４つ目は、意外と増えてきている「自信満々プライド」タイプの新人だ。

上司にも議論を挑んでくるタイプである。

一部の人は「意識高い系」というくくりでもいいかもしれない。
この種のタイプは基本的には頭はいいのだが、ともすると、上から目線だと思われがち。

自分にプライドがあるし、主張にも自信がある。

本人が意識高い系で実際以上にできると思っている「自信過剰型」なので、うまく「失敗の経験」をさせながら、自分の実力を思い知らせるが必要。

質問には正面から向き合い、議論をしてあげないと、一気に新人の無駄なフラストレーションがたまる。

「個人の問題」「家庭・学校の教育」「社会環境の変化」の問題なのか理解できないことが多い。