北大西洋条約機構(NATO)は6月14日、ブリュッセルの本部で首脳会議を開き、権威主義的傾向を強める中国とロシアに対して宇宙やサイバー空間、技術開発を含むさまざまな分野で対抗し、攻撃を抑止することを盛り込んだ首脳声明を採択した。
ロシアは依然、防衛上の最重要課題だとしつつ、中国の行動を「国際秩序への挑戦」と警戒、米欧の安全保障上の脅威として明確に位置付けた。
バイテン氏はロシアの挑発的な動きに歯止めをかけたい考えだ。
中国を巡っては英国での先進7力国首脳会議(G7サミット)6月13日の首脳声明でも「台湾海峡の平和と安定の重要性」に触れており、米欧が安保面で中国に対抗する姿勢が鮮明になった。
中国の欧州連合(EU)代表部は6月15日「中国脅威論をあおるのをやめるよう忠告する」と反発した。
バイテン氏はNATO首脳会議後の記者会見で「民主主義をさらに強化することで合意できた」と意義を強調。
集団的自衛権の行使を定めたNATO条約第5条は「神聖な義務」だとし、トランプ前政権期に揺らいだ米欧同盟の修復を図った。
NATO首脳声明は「中国の野心的で強引な振る舞い」はルールに基づく国際秩序と安全保障への挑戦だと指摘。
中国の核兵器の急速な増強や、中口軍事協力にも懸念を示した。
「宇宙へ、宇宙から、宇宙空間内での攻撃は5条発動につながる可能性がある」とし、宇宙軍拡を進める中口に強い警告を発した。
NATOは米国でロシア発とみられる攻撃が深刻化しているのを受けて策定された「サイバー防衛政策」も承認。
サイバー攻撃を抑止し、対抗するためにあらゆる能力を活用する決意を示した。
中国が人工知能(AI)など軍事転用できる技術に巨額の投資をしていることを念頭に、加盟国の企業や学術機関の協力を得て、技術的優位を維持する方針も示した。
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