中国が石油掘削を始めた南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島近くの海域で5月2日から7日にかけ、掘削を阻止するために派遣されたベトナム船と中国公船が複数回にわたって衝突した。
ベトナム当局によると、同国側の船員6人が負傷、8隻が損傷した。
AP通信などが伝えた。
中国は同諸島付近の実効支配を強めており、事態がエスカレートする懸念もある。
中国側は5月2日に掘削設備を現場海域に搬入。
5月3日には一方的に掘削活動の実施を発表し、掘削地点から半径3マイル(約4・8キロ)以内への外国船の進入を禁じることも通告していた。
ベトナムは問題の海域が自国の排他的経済水域で「主権侵害だ」として設備の撤去などを要求。
中国による恒久的掘削施設の建設を阻止するため、海上保安船など約30隻を現場海域に送ったところ、掘削設備の護衛に派遣された中国船約80隻の一部と衝突した。
ベトナム当局は、中国船が意図的にぶつかり、放水してきたと主張。
ベトナム側は平和的手段で解決を目指すとしながらも、「中国船が体当たりをやめなければ、報復もあり得る」としている。
中国外務省の華春瑩報道官は5月7日の記者会見で、同諸島を中国固有の領土とした上で、「ベトナム側は国際法などに違反し、中国の主権と管轄権を侵犯している」と掘削を正当化した。
国務省のサキ報道官は5月7日の定例記者会見で、中越が領有権を争う南シナ海の西沙(パラセル)諸島付近に中国が石油掘削装置を配置することは、域内の安全保障にとって「挑発的で、無益だ。 係争のある海域で石油掘削活動を決めたことは挑発的であり、地域の平和と安定の助けにならない」と述べ、中国を牽制した。
「付近での危険な行為や、艦船同志の威圧的な行為に強い懸念。 南シナ海の平和と安全を脅かす挑発や一方的行動に反対する」を表明し、「当事者に安全で適切な行動と自制を求め、主権問題を平和的に、外交手段で、国際法にのっとって解決するよう要請する」と述べた。
ただ、中国側が意図的に衝突してきたとするベトナム側の主張には言及を避けた。
米国が具体的な動きを示さないかぎり、中国の悪行は止まらない。
今の弱腰米国では、解決にならない。
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