離婚後の共同親権導入を検討する法制審議会(法相の諮問機関)の部会が12月19日開かれ、要綱案の原案が示された。
父母が親権について折り合えず家裁が判断する際の考慮要素として、ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の恐れを挙げ、共同親権を認めるところした事情で子の利益を害する場合、父母どちらかの単独親権と定めなければならないとし、判断基準の明確化を図った。
共同親権だとDV・虐待を加えた側の関与が続き、被害が継続しかねないとの懸念を踏まえた。
被害者側は「密室の出来事で、裁判所が訴えを認めないヶIスもある」としており、家裁が事情を適切に判断できるかどうかは大きな課題になる。
部会は来年1月の取りまとめを視野に、詰めの議論を進める。
原案では、単独親権のみの現行民法を改め、父母が協議で共同か単独かを選び、合意できなければ家裁が決める。
共同親権を認めない「子の利益を害する」例として「父または母が子の心身に害悪を及ぼす恐れ」「父母の一方が他方から暴力やその他有害な言動を受ける恐れ」を示した。
その他の事情でも、共同での親権行使が困難なら単独親権とする。
共同親権では、子どもの進学や病気の長期的治療など重要事項は基本的に双方の合意で決める。
入学手続きや緊急手術など、話し合う時間がなく 「子の利益のため急迫の事情」がある時は、単独で決定できる。
別居親側が子どもと定期的に会う「面会交流」は、必要に応じ対象を祖父母らにも拡大。
離婚時に養育費の取り決めがなくても一定額の支払いを義務付ける「法定養育費」を創設し、差し押さえしやすくする「先取特権」も定める。
共同親権はDV・虐待被害者らが反対する一方、離婚後に父母とも養育に関われるなど家族関係の多様化に対応できるとして支持する声があり、部会が制度の見直しを議論してきた。
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