国民全員に12桁の番号を割り当てるマイナンバー制度で、10月から約5500万世帯に簡易書留で送られる個人番号の通知カードのうち、少なくとも5%に当たる275万世帯分が「受取人不在」などの理由で届かない可能性があることが9月2日、総務省が複数の自治体を対象に実施したサンプル調査で分かった。
不着世帯数はさらに膨らむ恐れもあり、関係省庁、自治体が対応を急いでいる。
個人番号を2018年から銀行の預金口座にも適用することを柱とするマイナンバー法改正案は9月3日、成立する。
割り振られた番号が手元に届いていないと、来年1月以降、介護保険などの給付申請手続きの際に番号の記入を求められるため、手続きが遅れる可能性があるという。
「不在」でカードが届かないことが懸念されているのは、住民票の住所を移さないまま転居した人、医療機関や特別養護老人ホーム(特養)などの施設に入居している高齢者、障害者ら。
総務省は8月、やむを得ない理由で住民票の住所で通知カードを受け取れない人が、市区町村に申請すれば現住所で受け取れる特例を設けた。
長く施設に入居する高齢者、東日本大震災の被災者、ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待の被害者らが対象だが、申請期間は9月25日までとなっており、早めに申請を済ませるよう呼び掛けている。
また、福祉関係者などからは「(通知カードが届いても)認知症高齢者や障害者の中には、カードが何か判断できない人もいる」との指摘もある。
厚生労働省は介護職の人に、必要に応じてマイナンバー関連の書類の受け取りや提出を手助けするよう要請している。
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