原子力規制委員会は10月18日、原発事故時の屋内退避の運用を検討する会合を開き、3日間を目安に退避を続けられるよう準備し、解除は国が判断するとした方針をまとめた。
地震など自然災害が同時に起こる複合災害によって、退避に使う住宅や施設の倒壊、避難道路の寸断が起きた際の対策は、自治体側が対応するとして言及せず、課題を残した。
関係自治体の意見を踏まえ来年3月までに報書をまとめる。
事故で原発から大量の放射性物質が放出される原発事故時の避難の課題恐れがある場合、5キロ圏内の住民は避難し、5~30キロ圏内は自宅や避難所で屋内退避する。
放射線量が基準を超えれば30キロ圏外へ避難する。
原発周辺の自治体が、複合災害時の対応や屋内退避の運用を明確化するよう要望していた。
この日まとめた方針では、退避開始から3日間は自宅や避難所に備蓄した水や食料などの物資を使い屋内にとどまる。
国や自治体の支援を前提に期間の延長も想定する。
事態が悪化した場合の避難への切り替えや、事故対策が成功した場合の退避解除は、国が総合的に判断するとした。
今年1月の能登半島地震では、北陸電力志賀原発周辺で家屋の倒壊や道路の寸断が相次いだ。
他にも大雪や交通渋滞の発生に懸念が根強い。
住民が屋内に退避せず一斉に避難を始める事態も想定される。
規制委は屋内退避の運用の検討を始めたが「自然災害の防災はわれわれの範鴫外」とし、家屋などの耐震化や避難路の確保は自治体側の課題としている。
全国知事会は能登地震を踏まえ複合災害時の対策強化を求めている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます