中国が7月14日にインドネシアで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議の議長声明で、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に反対する立場を表明するよう提案していることが7月10日、ASEAN外交筋への取材で分かった。
中国には、処理水放出への懸念を共有することでASEAN諸国や周辺の島しよ国を取り込み、対日圧力を強める狙いがあるとみられる。
中国は処理水を「核汚染水」と呼び日本を糾弾しており、ASEAN外交筋によると、議長声明に「処理水」と記載しないことも求めている。
日本は強く反発。
議長国インドネシアの対応が注目される。
同外交筋によると、中国は事務レベル協議で加盟国全体に提案。
日本は人や環境への放射線の影響を「無視できるほどごくわずか」とした国際原子力機関(IAEA)の報告書を引用し反論している。
ARFはASEAN10力国に日中韓米口、北朝鮮のほか、パプアニューギニアやオーストラリアなどを加えた計27力国・機構で構成。
アジア太平洋地域の安全保障をテーマに年1回、外相級の閣僚会議を開いている。
中国は7月7日の外務省記者会見で「日本が処理水という非科学的な言葉を作り出したのは核汚染水の危険を薄める狙いだ」として放出計画の停止を要請。
中国は原発事故を受け福島や新潟など10都県産の食品輸入停止を柱とした規制を導入しており、放出実行による規制拡大を示唆、メディアも連日、日本批判の記事を掲載している。
ウクライナ侵攻後、中国への依存を深めるロシアも中国と共に透明性を求める姿勢を鮮明にし、IAEAなどに情報提供を要求。
処理水放出が水質汚染を引き起こす恐れがあるとして、日本産の水産資源輸入に際し検疫を強化する方針だ。
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