ロシアが2020年までに北方領土と千島列島に点在する全ての海峡をミサイル射程に収め、オホーツク海を守る構想が判明した。
先行してミサイルを配備した択捉、国後両島の軍事・地政学上の戦略的重要性が極めて高まり、両島の返還は一層遠ざかることになる。
ロシアにとってオホーツク海は核ミサイルを搭載した戦略原子力潜水艦の活動域で、同じく原潜が活動する北極圏バレンツ海と並んで安全保障上の最重要海域だ。
敵艦隊の進入を防ぎ、’自国の原潜や艦隊が太平洋へ自由に出入りできるようにするオホーツク海の面塞化は、冷戦時代から検討され、近年の米口関係の急速な悪化で必要性が高まった。
さらにプーチン大統領は昨年12月の記者会見で、北方領土の一部を日本に引き渡した場合に米軍が展開する可能性や、米国製の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入を日本が決めたことへの懸念を表明。
米国の軍事プレゼンスに対応するため、ロシアはこの地域で軍備を増強する必要性を感じている。
ミサイルの実質運用が始まり、列島をつなぐ防衛線が完成してしまえば、択捉、国後両島だけでなく、色丹島と歯舞群島の返還交渉にも影響する。
ロシアの当局者は「色丹、歯舞の引き渡しについても、構築した統の防衛システムに穴をあけることになるので容認できない」と強調した。
まったく北方領土を返す気はないということだ。
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