さて、立ち飲みの日の2軒目はどこへ行こうかと考えたものの、神田の店が浮かんでこない。思案した結果、新橋に行くことをY澤さんに提案した。考えてみたら、Y澤さんと新橋に行ったことがない。おこがましい言い方だが、それならばボクの新橋の経験をお伝えできればいいかなと思った。
新橋の立ち飲みを探索して、はや4年。訪問した立ち飲み屋さんは50軒を超える。あと2軒で新橋の立ち飲みをコンプリートするという今、Y澤さんを通して総括することも悪いアイデアではないと思った。つまり、ボクが選んだ新橋の最高峰の立ち飲み屋である。
その最高峰の2軒はすぐ頭に浮かんだ。
そのうちの1軒、「龍馬」にY澤さんをお連れしよう。
「龍馬」の良さはなんといってもメニューの面白さである。
「キャベツの塩もみ」(100円)から「鮪中落ちハイカラ」(500円)まで、酒飲みの好きそうで豊富な肴を用意している。
「和ハーブいっぱいジャコサラダ」(450円)、「鮪とアボカドのわさび和え」(500円)、「若鶏の唐揚げ南蛮ソースがけ」(450円)など、ファミレスのような名前の長い肴がびっしりとメニュー表に書かれている。
この日は、立ち飲みの日ということで、ワンドリンク・ワンフード。飲み物はビールをチョイスしたが、肴は鮪のづけのようなものが出てきた。
「龍馬」といえば、鮪である。
鮪料理各種は本当に素晴らしい。土佐は鰹だが、鮪を看板メニューにしているところが面白い。
この素敵な酒肴がどのように誕生しているのか。
それはスタッフの気概だろうと感じる。どのスタッフもお客を喜ばせようという気概にあふれている。その姿はカウンターを挟んでもひしひしと伝わってくるのだ。
このスタッフの気概が「龍馬」の熱気の原動力となっていると感じる。
1年前、ボクは「龍馬」を訪れ、立ち飲み維新を起こしたと記した。
1年後、その維新の波は広がりつつあると感じる。
バルやバーの増加は、それを如実に表すものだ。立ち飲みという、一見はしたなく、おっさんくさいジャンルを、ひとつ上のステージにあげた店。それが「龍馬」の功績であると思う。
だって、ここにはおっさんくささを微塵も感じさせないパワーを感じる。
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