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モザイクの一球NO.0039~開幕カード 阪神VS広島3連戦総括~

2007-04-04 13:25:03 | モザイクの一球
 緒戦こそ落としたが、阪神タイガースは今年も強い。
 戦い方も万全。ソツのないいい試合運びをしていた。
 
 開幕戦のポイントは4-1でカープのリードの8回裏。一死満塁の場面で金本知憲選手の打席。結果は浅い左飛。結局、後続の今岡選手も三振に倒れ、好機を逃す。
 岡田監督の談話。「4番、5番が打てば勝つし、打てなければ負ける」。

 一方のカープは金本選手を迎えた場面で抑えの切り札、永川投手を投入。まだ、8回一死の場面で、だ。
 永川投手の談話。「あの場面は気力で投げた」。
 まさに渾身の投球だった。
 特にポイントの一球は金本選手への3球目。ボールカウントは0-2。永川投手はフォークボールをやや高めに放る。金本選手は思わず空振り。待っていた球は直球だったか。 見送ればボール。これで、永川投手は命拾いした。
金本選手は、昔からこういう場面で決め打ちをすることがままある。それがいいのか、悪いのかはよく分からない。

 第2戦のポイントは7回表のカープの攻撃。
 この回、先頭打者の倉選手が中前に安打を放つ。
 次打者の青木投手に代えて、ベンチは代打山田選手を打席に送る。山田選手の使命は1塁走者を2塁に送ること。だが、そのバントは投手正面の強い当たり。タイガースの久保田投手は転がったボールを掴み、迷うことなく2塁に送球、ホースアウトをとる。
 バントが成功するか、失敗か、で勝負の分かれ目となる場面だった。
 カープはミスで勝ち越し機を逃したことになる。
 当然、その悪い流れは次のタイガースの攻撃に繋がっていく。
 その回に交代したカープのリリーフ陣が崩れ、3四球で勝ち越し点を献上した。

 第3戦のポイントは終盤のカープの攻撃。
 7回、8回と無死2塁の好機を生かせず、無得点に終わる。
 7回は緒方選手が遊ゴロ。8回は嶋選手が三振に倒れ、走者を3塁に進めることができなかった。
 カープのブラウン監督は「ケースバッティングができなかった」と悔やんだ。
 もっとも、久保田投手、ウイリアム投手が右打ちさせまいとした投球も光ったのも確かだ。
 得点こそならなかったが、この試合の8回、タイガースの攻撃で代走に使われた赤松選手の走塁は見事だった。足を絡めたソツのない攻撃は他チームにとっては脅威である。

 1-4、3-2、4-2。
 3試合の得点を見れば、接戦のように見えるが、実はその差は大きい。
 昨年の対戦成績。タイガースの16勝6敗。完全にカープをカモにしている。
 こうした精神的優位性も試合運びに大きな影響を及ぼしていた。
 カープ投手陣の3連戦の与四死球は計12。
 しかも大事な場面でリリーフ陣のコントロールが狂った。
 やはり、苦手意識は容易に払拭できないのか。

 この3連戦を見た限り、阪神タイガースの戦いは磐石だ。間違いなく、優勝争いに絡んでくるだろう。
 一方のカープはどうか。染み込んだ負け犬根性は払拭できていない。
 だが、戦力は十分戦えるものがあると確信はした。
 せめて、タイガースと五分の星で戦えれば、クライマックスシリーズへの道も見えてくるだろう。

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