ホテルに着いた後、「飲みに行きましょう」と誘われ、A社の皆さんとご一緒させてもらった。
札幌支店の方が予約を入れてくれたという酒場に徒歩で向かう。遊歩道を歩くとたくさんの中国人観光客とすれ違う。
やがて着いたのは、外観がくたびれた酒場。入口上部にオブジェがあり、その重みに耐えかねて入口の庇が沈んでいる。庇が落ちてこないか不安になる。
「大舟」。
意外だった。
A社札幌支店のお二人は主任さんが30代、その部下の方が20代。まさか、この若い二人がこの渋い酒場に本社の先輩を連れてくるという状況。しかも、本社から来ているのは女性係長、そして20代の女性である。
きっと、この酒場には何かあるに違いない。
店舗外観は小さく見えたが、奥行きが広かった。カウンターの奥に進むと、向こう側に空間があり、急な階段が現れた。どうやら、建物は増築で拡大していった感じだ。その急階段を上がると突き当たりになり、左右に個室がある。我々は右側の部屋に通された。
和室ではあるが、席はテーブルだった。
まずは生ビールで乾杯。和やかな宴会が始まった。
何故、彼らがこの酒場をチョイスしたか。それは旭川を食べ歩いて、一番おいしいお店だったと感じたからだという。お店はその名の通り、海鮮の酒場らしい。北海道といえばおいしいものがたくさんあり、中でも海の幸は特筆ものである。けれど、北海道のど真ん中に位置する旭川で、その海鮮は果たして新鮮なのかと、ちょっと懐疑的だ。
何度も「大舟」を訪れているという彼らは手際よく注文をした。
何よりも注目はその海鮮の代表「えぞ刺し盛り」である。5人前で9,350円!
カイツブ、ボタンエビ、生ウニ、タコ、ソイ、本マグロ、タラバのそと子、天然サーモン、道産しめ鯖。季節によって違うらしいが、webのメニューにはそう記載されている。とにかく賑やかである。
そのお造り、とてつもなくおいしい。
こうなると、お酒が欲しくなる。
札幌支店の人は、「日本酒なら『国士無双』です」」という。恐縮ながら、そのお酒をいただいた。
これがもうバカうま。
やはり、地物にはもう何も勝てない。
ここにはもうひとつ、名物があるらしい。
「極太エビフライ」(1,100円)。
本社のM野さんがオーダーした。
階下のトイレに行った時、廊下に飾られた額縁の写真を見た。美しい風景写真もあれば女性の写真もある。その女性は三浦綾子さんだった。旭川が生んだ大作家。市内には記念館もある。どうも、生前の三浦さんとお店は親交があったようだ。
その「極太エビフライ」は相当大きくて、自分ならこれ一本でお腹いっぱいになりそうな代物。こんなのは「おもうまい店」くらいしかお目にかかれない。
ご馳走していただけるのかと思ったら、割り勘だった。一人6,000円とのことだったが、8,000円出した。
これだけの珍味をいただいたが、まぁまぁな金額なんだね。
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