
つい「暑い」という言葉が口をつく。
夕日はTOCビルの陰に隠れて、ボクは打ち合わせの帰りを五反田駅に向かって歩いている。
今夜は長くなりそうだ。
首相官邸前で開かれるデモを取材するために出かけなければならない。夜を徹して行われる原発反対のデモを見届けることが今夜のミッションだった。
その前にどこかでビールでも飲みたい気分だった。
五反田にある立ち飲み屋は「へそ」と「呑ん気」。いずれもディープな店だから、軽くビールが飲めるところがいい。
ケータイで検索すると「ファットバー」という店がヒットした。
東武池上線の高架下にあるというその店はいくつかの飲食店が固まるモールのようになっていた。
くだんのバーはそのモールの一番奥にあったが、まだ開店していない。18時の開店ということだから、あと30分は待たなければならず、ボクはそのモールをひとまわり歩いてみることにした。
すると、入り口の店舗に「沖縄屋台バル」と書いてある店を見つけた。さらに店先を眺めていると「オリオン」の樽生があるという。1杯が600円で決して安いとはいえないが、このカッと暑い日にはオリオンの生が爽快においしそうだ。
オリオンの生ビールに誘われて、つい店に入ってしまった。
お店は変わった造りだった。
モールのメイン通路を挟んで2つに分かれている。向かって左側が厨房らしき設備。右側がホールだ。ホールはこぎれいだったが、沖縄の風情があるとはいえなかった。どこか都会っぽくて、いい意味のバタ臭さがなかった。
だが、島らっきょう(300円)をつまみに飲む「オリオンビール」は最高だった。きめの細かい泡は沖縄のビーチに寄せて返す波のしぶきに似ていたし,黄金色のピルスナーはぎらぎらと照り尽くす沖縄の太陽そのものだった。
これがオープンテラスだったらもっと最高だった。夕暮れのミルク色した空を見ながら飲むオリオン。「島らっきょう」のツンとしたからさを鼻腔に感じながら、爽やかに喉を潤す。今夜の熱狂の前にちょっとしたひと時の時間がうれしかった。
ちょっとビールを飲んだら、今度はおなかが空いてきた。
今夜のデモはまさに戦だろうから、しっかりお腹を満たしておきたい。
迷わず「ソーキそば」(350円)を頼んだ。
だが、肝心の店員がいない。店が分断されているデメリットがここにあった。チャイムでもあればいいのだが、それもなく、仕方ないから、席を立って対面の店にわざわざ注文しに行った。ダパンプのISSAのような男がいて、注文をすると彼は恐縮しながらはにかんだ笑みを浮かべた。
2013年現在、この店は閉店してしまったようだが、このオペレーションの悪さが結果的に致命傷となったのかもしれない。
「ソーキそば」に泡盛が断然合うと思う。
そこで、「首里城」(350円)という泡盛をロックで頼んでみた。泡盛のトロトロの甘みと「ソーキそば」の塩気を含んだおつゆの組み合わせは本土にはないものであろう。南国の潮風に吹かれ、肌をなぶる夕方の海を見ながら満喫できたらと思うと、これから仕事をする気が萎えてしまいそうだった。
いけない。
つい2杯目の泡盛を頼んでしまいそうだった。
時計を見るともう18時を過ぎている。
「ファットバー」でもう1杯だけ飲んで、デモに出かけよう。
夕日はTOCビルの陰に隠れて、ボクは打ち合わせの帰りを五反田駅に向かって歩いている。
今夜は長くなりそうだ。
首相官邸前で開かれるデモを取材するために出かけなければならない。夜を徹して行われる原発反対のデモを見届けることが今夜のミッションだった。
その前にどこかでビールでも飲みたい気分だった。
五反田にある立ち飲み屋は「へそ」と「呑ん気」。いずれもディープな店だから、軽くビールが飲めるところがいい。
ケータイで検索すると「ファットバー」という店がヒットした。
東武池上線の高架下にあるというその店はいくつかの飲食店が固まるモールのようになっていた。
くだんのバーはそのモールの一番奥にあったが、まだ開店していない。18時の開店ということだから、あと30分は待たなければならず、ボクはそのモールをひとまわり歩いてみることにした。
すると、入り口の店舗に「沖縄屋台バル」と書いてある店を見つけた。さらに店先を眺めていると「オリオン」の樽生があるという。1杯が600円で決して安いとはいえないが、このカッと暑い日にはオリオンの生が爽快においしそうだ。
オリオンの生ビールに誘われて、つい店に入ってしまった。
お店は変わった造りだった。
モールのメイン通路を挟んで2つに分かれている。向かって左側が厨房らしき設備。右側がホールだ。ホールはこぎれいだったが、沖縄の風情があるとはいえなかった。どこか都会っぽくて、いい意味のバタ臭さがなかった。
だが、島らっきょう(300円)をつまみに飲む「オリオンビール」は最高だった。きめの細かい泡は沖縄のビーチに寄せて返す波のしぶきに似ていたし,黄金色のピルスナーはぎらぎらと照り尽くす沖縄の太陽そのものだった。
これがオープンテラスだったらもっと最高だった。夕暮れのミルク色した空を見ながら飲むオリオン。「島らっきょう」のツンとしたからさを鼻腔に感じながら、爽やかに喉を潤す。今夜の熱狂の前にちょっとしたひと時の時間がうれしかった。
ちょっとビールを飲んだら、今度はおなかが空いてきた。
今夜のデモはまさに戦だろうから、しっかりお腹を満たしておきたい。
迷わず「ソーキそば」(350円)を頼んだ。
だが、肝心の店員がいない。店が分断されているデメリットがここにあった。チャイムでもあればいいのだが、それもなく、仕方ないから、席を立って対面の店にわざわざ注文しに行った。ダパンプのISSAのような男がいて、注文をすると彼は恐縮しながらはにかんだ笑みを浮かべた。
2013年現在、この店は閉店してしまったようだが、このオペレーションの悪さが結果的に致命傷となったのかもしれない。
「ソーキそば」に泡盛が断然合うと思う。
そこで、「首里城」(350円)という泡盛をロックで頼んでみた。泡盛のトロトロの甘みと「ソーキそば」の塩気を含んだおつゆの組み合わせは本土にはないものであろう。南国の潮風に吹かれ、肌をなぶる夕方の海を見ながら満喫できたらと思うと、これから仕事をする気が萎えてしまいそうだった。
いけない。
つい2杯目の泡盛を頼んでしまいそうだった。
時計を見るともう18時を過ぎている。
「ファットバー」でもう1杯だけ飲んで、デモに出かけよう。
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