25年前から、この店の前を通っていたはずだった。ボクが成田に住んでいた頃、原チャリやクルマで何度もここを通り過ぎてはいたが、ボクの目には入っていなかった。
たまたま、この日、店の前を通ったとき、そういえば、この洋食屋さん、昔からあったよなと思い出した。
「味楽屋」か。そういう名前だったのか。
当時のボクに店をゆっくりと眺めて通る余裕がなかったということなのかもね。
店がきれいになっている。赤いテントは昔ながらだが、そのテントも新しい。昔ながらの洋食屋さんが、今も元気に営業されているのを見ると嬉しくなってくる。昼時に行っても空いているだろうと高をくくっていたけれど、12時ちょうどに入店したら、テーブルはボクらで埋まってしまった。やっぱり。ごひいきさんがいっぱいいるのね。
ボクにとって、この町にいい思い出がない。
足かけ4年住んだけれど、記憶はモノトーン。だからなのか、店の赤いテントが妙に眩しく見える。
お奨めという「カキフライ定食」。
ボクは迷わず、これを選んだ。お奨めと書いてなくても、絶対これにした。この季節にカキを食べずして、何の人生か。
でもね、まさか、こんなボリューミーだなんて、思ってもいなかった。これはすごい。見ただけでお腹がふくれてくる。
なんと、カキフライが6個。これにポテサラと味噌汁。そして、丼飯に漬物がつく。これで940円。
早速、その熱々のところをまずはがぶりとやる。じゅわーっとくる肉汁。あちぃけどうまい。そして、次はおもむろに自家製というタルタルソースをつける。これがもう最高。
たまらん。
瓶ビールを頼んだのだが、グラスが冷えていて、この気配りがうれしかった。
付け合わせの漬物は恐らく自家製だろう。きゅうりのピリ辛漬け。これも美味しかった。
カキでわしわしとご飯が食べられる、この幸せ。
カキ、ご飯、漬物、ご飯、味噌汁、カキ、ビール。忙しなく手を動かす。
ひとつだけ、苦言がるとすれば、ご飯か。
多古や佐原が近い成田の米はお墨付きのおいしさだ。だが、「味楽屋」のご飯は粒が欠けていた。もしかすると、最後の屑の部分にあたってしまったのだったら、わたしが不運ということだろう。
でも、成田のうまい米を期待していただけに、かなり残念だった。
それを差し引いても、このカキフライは価値があった。
わたしの後に来たお客さんも「カキフライ」を頼んだが、「売り切れ」となった。
ごめん。常連さん。
駅から徒歩20分。公津の杜駅のほうが若干近い。
今日も前を通りました。15時くらいでも、けっこうお客さん入ってるんだよ。
夜は人通りが少なくなるから、大丈夫だよ。
スタンディングで。
カキフライで、肉汁は、ヘン、だね。
たしかに、牛肉やハンバーグなどの肉汁とは違うので、ここでは適切ではないですね。
ただ、あの水分をどのように表現していいのか、課題とさせていただきます。
ありがとうございます。