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居酒屋さすらひ 2119 - ターザンは風来坊なのか - 「風来坊 名駅新幹線口店」(名古屋市中村区椿町)

2024-07-04 13:56:19 | 居酒屋さすらい ◆地方版

もし、この飲み会を兼ねた打ち合わせがなければ、今回の名古屋遠征は単なる散歩になるところだった。きしめんと「チャオ」を食べるための散歩だが、そのきしめんにもありつけられず、ちょっと腐っていたところ。けれど、T社のS部長が打ち合わせをしたいとの申し入れがあり、名古屋遠征はひとまず、無駄足ではなくなった。その打ち合わせとは、業界の展示会のブース作りの依頼。もちろん、コンペになるのだが、一介のフリーランス記者が、そんな経歴もなく、畑違いの仕事の依頼が来るとは思わなかった。期待されてのことか。いやいや、コンペに出る企業がなく、単なる噛ませ犬として指名されたのかとも思ったが、依頼されたことは断らないという信条の基、名駅へと向かったのである。

S部長は広島からの帰りで、待ち合わせ場所に太閤口を指名。自ずと太閤口側で酒場を探すことになるのだが、歩いていると、目の前に「風来坊」があって、自然の流れで、「あそこにしましょう」となった。

しかし、すっかり太閤口はもう酒場ばっかり。

これが噂にきく、「風来坊」か。手羽先唐揚げの先駆者、「風来坊」。

名古屋人は「世界の山ちゃん」より、「風来坊」を好むという都市伝説。

「山ちゃん」はもう東京にもあるくらいだから、全然有難くもない。やっぱり現地でないと食べられないものこそ貴重だ。

店内に入ったが、なんとなく、接待っぽい雰囲気になり、なんだか空気が重くなった。こりゃまいったな。

「生ビール」(580円)を飲んで、しばらく他愛もない話しをした後、ようやく核心の話題になった。正式なブース設営の依頼である。

コンペになったら勝ち目はないし。ただエントリーするだけかなとその時は思った。

接待チックな雰囲気を打破しようと思っていたが、S部長が先手先手を打って、オーダーを続ける。

S部長は「元祖手羽先唐揚」ではなく、どういう訳か「ターザン焼き」をチョイスし、サラダを追加した。

「ターザン焼き」(1,320円)とはひな鶏の半身を揚げた料理である。S部長の好みなのかなと思った。

後で知ったのだが、この「ターザン焼き」は「風来坊」の原点ともいえる一品らしい。創業の味なのだ。

飲み物をオーダーしようとメニューを見たが、「ホッピー」はもちろん、「酎ハイ」すらなかった。

これにも困った。飲むものがないか。

名古屋酒場の偏見かもしれないが、名古屋の酒場は飲むものが少ない。文化としても下町というものがないからだろうか。ビールと日本酒が中心だ。

仕方ないから「生ビール」をお代わりした。

「ターザン焼き」は意外にもおいしかった。名古屋らしく甘辛のタレが効いていて、素朴ではありながらもおいしい。

確かに、これだけ食べにくるのもありかなと思う。

ターザンはもともと貴族の出だが、両親が殺害され、ジャングルに住む野生児。一方、風来坊は風に任せ放浪する自由人。似てはいるが、非なるもの。でも、共通項はある。「風来坊」の経営者はそういうものに憧れたのだろうか。

さて、3杯目のビールを飲んでトイレに立って戻ったら、会計が済んでいた。

あちゃー、出してもらってしまったか。

「風来坊」を十二分に満喫できなかったが、また来ればいい。

でも、太閤口は来るたびに立ち飲み屋が増えている印象。

昔は名古屋に立ち飲みはあまりなかった。今や、太閤口は多くの若者が立って飲んでいる。

これにて今日のミッションは終了した。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (怪鳥)
2024-07-04 17:09:29
この時の打ち合わせがあれの実現になったのね~!
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Unknown (QOOTES)
2024-07-04 18:57:19
お仕事お疲れ様です。

その風来坊はちょうど6月28日の飲み会で二軒目に行ったところでした(笑)。

僕が名古屋人を代表しているわけではないのですが、山ちゃんはあくまでも「最近」のお店で、老舗は風来坊だと思っている人が多いと思います。カッコつけて「風来坊の方が好き」と僕も言いますが、本音はどちらも好きです。味が違いますもんね。

太閤通口のあたりも名古屋にいくつかある下町的な場所ではあるのですが、浅草、山谷、吉原が混然一体となったエリアなので受ける感じは少し違うのかもしれません。

僕が20代の頃でもあの風来坊の近くの小さな公園には主婦風の立ちんぼがいました。アルバイト先があのあたりだったのでたまに見物していたのですが、ドライブスルーのように車から降りずに即座に値段交渉したあと、立ちんぼを車に乗せて風のようにホテルに向かう形式。流れが鮮やかで見事でした。いい車が多かったですね。

近くの小さな神社の手水場では、大通りに面しているのに日雇いのおっちゃんが全裸で水浴びをしていたり。風呂代わりに。

そんな町で僕は生まれ育ちました(笑)。

やはり名古屋の話は好きですね(笑)。ありがとうございます。これからもいろんなお話を楽しみにしています。
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Unknown (熊猫)
2024-07-04 20:23:23
怪鳥
そうです。全てはここから始まりました。なので、決して無駄な名古屋遠征ではなく、むしろ重要な出張となりました。

qootesさん
この「風来坊」につい最近行かれたんですね。
で、やはり名古屋人は「風来坊」に一目置いているようで。
実は今回、初めて「風来坊」に行きました。「山ちゃん」はリピートしたいと思いませんでしたが、「風来坊」はまた行ってみたいと思いました。なんでだろ。
この辺りは名古屋の下町なんですね。
娼婦に、日雇いの人、自分が知っている名古屋ではないです。自分はまだまだ表層しか見てないことが分かりました。

飲みに行くのは、もっぱら太閤口が多くなりました。
名古屋大好きです。
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