多分、今都内23区で、最もホットな立ち飲み激戦区の一つが亀戸ではないだろうか。
「超人」、「くら」に加え、今回訪問した「とーど」、最近「晩杯屋」が加わった。いずれも、酎ハイが特徴の店である。とりわけ、「晩杯屋」を除く、3店舗は酎ハイが一杯200円以下というのが、ウリの店だ。
亀戸の立ち飲みのすごいところは、いずれも昼の3時には開店していること。しかも、日曜日も同様だ。これは草野球人としては、素直に嬉しい。
さて、今回訪問した「とーど」は、友人から情報をいただき、草野球の帰りに訪問した店である。
亀戸駅の南側、総武線と並行に並ぶ、居酒屋街に、その店はあった。看板に、擬人化したカエルが描かれているのを見て。あぁそうだったかと思い出した。店名の「とーど」はカエルだったか。ファイナルファンタジー、魔導師の魔法の一つ、「トード」。
店に入った。
こぢんまりとした小さな店。ボクはカウンターに落ちついた。
どうやら、チケット制である。これは東葛地域の立ち飲みの特徴だ。1,000円で1,100円分のチケットを購入、戦闘体制に入る。
「チューハイ」(200円)からスタートした。
チケット制のいいところは、その枠内のチケットの配分を思い描ける点にある。例えば、「チューハイ」を3杯飲むとすれば、600円。そうするとつまみには500円をかけることができる。一方、4杯飲みたければつまみは300円となる。そのせめぎあいが楽しい。たとえ、300円のつまみを選択しても、「とーど」には、100円メニューが豊富に揃っているので、うまく組み立てることも出来そうだった。
さて、自分の場合は3杯で十分。つまみに500円をかける選択だ。まずは、「もやしナムル」(100円)、それから、「ハムカツ」(200円)をオーダーした。
チケット制の店らしく、100円メニューが豊富だ。「枝豆」、「もやしナムル」、「らっきょう」、そしてお店のおすすめ「煮玉子」。
女性の店員さんにオーダーすると、日本人離れした独特の抑揚で、厨房にオーダーを返した。
厨房の中にいるマスターはまだ若かった。どこかの居酒屋で修行してきたのだろう。常連とおぼしき客と競馬の話しで盛り上がっている。そういえば、店内のテレビは、競馬中継だ。
「ハムカツ」は、意外に肉厚で、200円とは思えないボリューム感。これはうまい。すっきりした「チューハイ」との相性も抜群だ。「チューハイ」が進む、進む。
さて、最後の200円を何に使うか。
あれこれ、悩んだ末、「ハムカツ」がまだ余っていることもあり、4杯目の「チューハイ」をいただいた。
これにて、またもやセンベロ成立!
チケット制については、かつて店側のキャッシュフロー経営に大きく貢献するシステムと書いた。確かに1,000円未満のちょい飲みをする客には有効だが、1,500円くらいのレンジで飲む客には、ブレーキとなる。どっちの客層が多いかによって、その有効性が左右されることになるが、果たして「とーど」はどうか。
一つ、チケット制の弊害を挙げるなら、いい酒場で感じるワクワク感に乏しいこと。好きなつまみを組み立てていくのではなく、チケットの枠内を優先することが目的になる。そこで少し醒めてしまい、ファイナルファンタジーの「トード」はかからないのである。
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