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「山東」を出たらお腹いっぱいになっていることに気づいた。
さて、どうしようかな。
桜木町で一杯飲るかな。
いずれにせよ、石川町駅まで歩かなきゃ。駅手前の大通りまで差し掛かった時、閃いた。「寿町に行ってみようか」と。昼間から開いてる酒場がたくさんあるはずだ。
日本三大ドヤといわれる寿町は横浜スタジアムから、もう目と鼻の先。スタジアム手前の角を左に折れ、川を渡ったら、なんだかすぐに風が変わった。
あの時と同じ感じ。
西成のあいりん地区に入った瞬間、立ちションしている男がいた、あの匂いと同じ空気感。なんだか辛気臭い感じ。そして老人らがあちらこちらに座っている。
ちょっと歩いてみた。
酒場もあるし、スーパーもある。それよりも何よりもケアセンターがあちこちにある。
さらに歩くと、銭湯のような施設を見つけた。
一瞬、入るか入るまいか悩んだ。
昔、山谷の銭湯には行ったことがある。凄まじかった。
あいりん地区の銭湯は二の足を踏んだ。日和って入れなかったのである。そして、この寿町の風呂屋もちょっときつかった。
さて、どの酒場に入ろうかと思っていたら、角打ちを見つけた。
やっぱあるじゃん。
ただ、お客が一人もいない。営ってるのか、閉まっているかが分からない。とりあえず通り過ぎようとしたら、一人お客さんがいた。
営ってんだ。
迷わずお店に入った。
お母さんの「いらっしゃい」が優しくて安心した。カウンターに陣取り、さて何を頼もうか。よく分からないから、瓶ビールをお願いした。つまむもののおすすめを尋ねたら、「自家製キムチがあるよ」という。それはいい。
ビールとキムチをいただいた。
確かこれで700円だったと思う。
先客はご老人だった。ポテトチップスをつまみにコップ酒を飲んでいる。ポテチを箸で食べているのが笑える。テレビは昼間のニュースバラエティ。
お母さんが、「103万円の壁ってなんなのかねー」という。たいした話しをしている訳ではないが、このお母さんの優しい抑揚で、なんだかほんわかとした気持ちになる。お母さんは香川のご出身らしい。一見の自分に昔語り。長く生きてこられた人の言葉は貴重だ。
先客のお父さんは自分とは交わろうとしない。なので、お母さんも先客に、自分にと、気を遣って話しかけてくれる。
ふと、壁の貼り紙を見たら、お店が12月10日をもって閉店するという。恐らく長い歴史を刻んできたお店だと思う。
「この後、何も決まってないのよ」。
突如閉店が決まった感じである。
最後にお店に来られたのも何かの縁。お店最後の日は多くの人で賑わうのだろうか。ドヤの町の角打ちが幕を閉じる。
子供の頃は毎朝保育園に行くときに近くのプレハブ小屋に寝泊まりしている大量の人足がトラックに乗って仕事に出かけていくのを見ていましたが(荷台に乗っていた人も結構いたような気がします)、寿町と言えどももうそんな風景はないでしょうね(笑)。
那覇マラソン、ご自身の満足のいく走りができますよう、頑張ってください。
こんばんは。
寿町、前から行きたくて。
でも、かみさんがいると行けないので、えぃ! と行きました。また探検したいです。
今、那覇に着きました。
バックパックで来たのですが、空港を出てゆいレールに乗る時、なんだか懐かしい気持ちになりました。暖かくて異国っぽいんですよ。
応援ありがとうございます。
楽しんだもの勝ちだと思っています。
横浜文体の近くから寿町を突っ切って川向うにあったBAR(今はもうないです)によく行きました。ちょっとカメラを向けるのも憚られる雰囲気です。
熊猫さんボトルキープ初なのですか?意外ですな。
それも泡盛とは!
こんにちは。
あいりん地区ほど危険を感じませんでしたが、空気感が違いますね。
もっとまだディープなエリアがありそうですね。
ボトルキープはなかなか優越感ありますね。